2015年から2020年までの5年間で、人口が増えたのは東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、福岡県、沖縄県のみです。人口が増えている都県においても、単身世帯の割合は年々増加しています。
つまり、高齢者を支える「人」そのものが減っており、「人」が増えているエリアであっても、単身世帯の増加により「家族の支え合い」が期待しづらくなっているということです。
「家族で面倒を見る」時代の終焉
現在は介護保険制度が作られた当初と比べて、状況が大きく変化しています。
1947〜1949年に生まれた、いわゆる「団塊の世代」も高齢となり、要介護者となる方は急増すると考えられます。
この世代の方の場合、地方から首都圏への人口移動が進むなか、子どもが遠方に住んでいるなどで同居していないケースはめずらしくありません。

また、家族観も変化しており、親子間であっても互いに「あまり深く関わりたくない」「迷惑をかけたくない」と考える人も少なくありません。
「家族同士で面倒を見るのが当たり前」という時代は、すでに終わりつつあるのかもしれません。このような家族のあり方の変化は、介護保険制度の創設当時、十分には予測できていなかったのではないでしょうか。
さらに近年では「老老介護」だけでなく、「認認介護」という言葉もさまざまな場面で聞かれるようになりました。