「人生100年時代」と言われ、仕事や子育てなどさまざまな“役割”から少しずつ解放されてくる60代前後の世代からすると、人生第2章をどう過ごすかをふと、考えることがあるだろう。
そんなときに大切にしたいのが自分の好奇心。
産婦人科医・高尾美穂さんが、人生の節目を迎え、自分らしい生き方を見つけるための背中を押す80の言葉を収録した、著書『「自分が主役」で生きたらいいじゃん』(扶桑社)から一部抜粋・再編集して紹介する。
人生の満足度に影響する好奇心
【人生は知的好奇心を満たす旅】
自分の好奇心に自分で応えることができるかが人生の満足度に大きく影響を及ぼす。
好奇心ってすごく大事だと思っています。興味をもつこと、面白がること、わからないことを知りたいと思う気持ちをもつことは、若くいられる大きな理由になると思うんです。
「自分はこれで十分と思ったとき、成長は止まる」と言われることがあります。でも好奇心をもちつづけていられたら、いつまでも自分を成長させつづけることができるのではないでしょうか。

自分が知らないものに出合う。聞いたことのない言葉を知る。触れたことのない文化に身を置く。
こうした非日常の時間においては、とくに好奇心をくすぐられる機会はあるはずです。そして、日常においてですら、自分次第で機会をつくることはできます。
私は、街を歩いているだけでもいろいろなことを考えます。たとえば、信号待ちのときに「なぜ信号の3色は、この順番なんだろう」とか。そして、自分なりに納得できる理由を考える。
考えること自体が楽しいし、「納得して腑に落ちる」ことで、好奇心が満たされる。この「満たされる」経験も、自己肯定感につながる大事な機会だと思っています。