人気お笑い芸人「サンドウィッチマン」が紹介したことで全国的な知名度がある宮城県のレストラン「HACHI(ハチ)」。仙台駅構内にも出店し、看板メニューとなっているのが「日本一のナポリタン」だ。このナポリタンの食材の仕込みを地元のおじいちゃん、おばあちゃんが従業員として働く会社が手伝うことになった。「高齢者が家族に自慢しながら食事に来てほしい」と話すHACHIの運営会社。地域連携につながることが期待されている。

「じぃ」と「ばぁ」の手作り弁当

甘辛く味付けられたヤンニョムチキンに、たっぷりのタルタルソースがかかった白身魚のムニエル。地元のおじいちゃん、おばあちゃんが従業員として毎朝手作りしているお弁当だ。

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60代から80代のシニア世代による宅配弁当サービス「ジーバーFOOD」。
おじいちゃん、おばあちゃんの「じぃ」「ばぁ」と地場食材の「じば」をかけて、2022年から事業を始めた。従業員のほとんどは飲食店勤務の経験がないが、主婦などそれぞれの経験を生かして、おかず一つ一つを丁寧に作っていく。同世代と会話ができるというのも働くことの楽しみの一つになっているという。

ジーバーFOODの顧客は企業や学校など。青葉区にある服飾専門学校で販売したときには、勤め人から専門学校生まで幅広い人が利用していた。「副菜が丁寧に作られていておいしい」「ちゃんとしたご飯を食べることがあまりないのでうれしい」など手作りの弁当が高く評価されていた。

飲食店を通じて地域とつながる

その“仕事の丁寧さ”も評価され、HACHIを運営する会社「オールスパイス」が7月30日、ジーバーFOODとパートナー契約を結んだ。HACHIの看板メニューの一つで、お笑い芸人のサンドウィッチマンが絶賛するナポリタンの食材の仕込みを地元の高齢者が行う。

ハチのナポリタンの特徴はモチモチとした麺。2.2ミリという太めのパスタを使い、ゆで上げてから味付けをして1日寝かせることで、独特の食感を出しているという。注文を受けてからゆでることができないため、事前の仕込みは必要不可欠。食材はまずHACHI長町店で使われ、2024年8月以降、他の店舗でも活用していく予定だという。
オールスパイスの角田秀晴代表取締役は「『このナポリタンの麺や具材はおじいちゃんおばあちゃんが作っているんだよ』と家族に自慢しながら食事に来てもらう機会がきっとあると思う。そんなシーンこそ地域との連携や貢献につながるのではないか」と話し、大人から子供まで幅広い人気を誇る飲食店ならではの狙いを話してくれた。

高齢者が生き生きと働き、地域とつながっていく。ジーバーFOODは今後、HACHI以外の飲食店とも連携し、事業を広げていく方針だ。

仙台放送
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