バスケットボール女子日本代表は4日、2連敗を受けた予選最終戦でベルギーと対戦、58-85で完敗した。男女ともにパリ五輪予選3連戦をまさかの全敗。パリ会場での決勝トーナメントに進むことなく大会から姿を消すこととなった。

完全アウェイ、日本らしさ出せぬまま…気迫のベルギーに攻略され女子完敗

国境間近に位置するフランス・リールで開催された予選にはベルギーからの観戦客が大挙し女子日本には完全アウェイの試合。脳振とうのためドイツ戦に出場しなかったエース・山本麻衣はこの日も欠場した。

ベルギー戦での髙田真希(4日、ピエール・モロワ競技場)
ベルギー戦での髙田真希(4日、ピエール・モロワ競技場)
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序盤から日本はパスの連携ミスやターンオーバーも多く、第1クオーターで日本の武器・3ポイントシュートは1本も入らず7-19の12点ビハインドで終了。第2クオーターに3ポイントシュートが成功し始め一時日本に流れが来るかに見えたがベルギー側の3点砲が炸裂。またベルギーの堅牢なディフェンスに阻まれ日本のインサイドへの攻撃も奏功せず、前半23-39と点差は縮まらなかった。

後半、走ってインサイドにパスしてシュートという速攻が成功して反転攻勢を期待させる局面もあったが、21年東京五輪準々決勝で日本に逆転負けを喫しリベンジを期していたベルギーの気迫には敵わなかった。オフェンスリバウンドも思うように取れず、第3クオーターで22点差とさらに引き離され、結局27点の大差をつけられ日本は完敗した。

ベルギー戦での林咲希(左から2番目)(4日、ピエール・モロワ競技場)
ベルギー戦での林咲希(左から2番目)(4日、ピエール・モロワ競技場)

試合後のインタビューで「走り切れた場面はあったが、ベルギーの圧は凄かったし、シュートも入った。なかなか止め切れなった」と振り返った主将の林咲希。

「東京五輪から、世界で戦う上で追われる立場だった中で、世界は日本と戦う上でレベルアップしてきたなという感覚をこの五輪ですごく味わった。まだまだフィジカルでもスキルでも足りない部分がたくさんあったという収穫があった」と語った。

各国から研究され、林や山本麻衣らの「3点シュート」や、宮崎らの「スピード」による速攻への対策をされ、今大会思うようなバスケを封じられてしまった。経験を踏まえ、女子日本のバスケを構築し直すべく、再スタートを切る。

同じ3連敗も“自信”つかんだ男子日本 男女ともに28年ロス五輪へ再始動へ

五輪2大会連続の予選3戦全敗となった男子。23年のワールドカップで48年ぶりの五輪自力出場決定の快挙を果たしたが、72年のミュンヘン五輪以来52年ぶりの自力での「1勝」には至れなかった。

フランス戦でシュートに挑む河村勇輝(7月30日、ピエール・モロワ競技場)
フランス戦でシュートに挑む河村勇輝(7月30日、ピエール・モロワ競技場)

しかし、今回2戦目のフランス戦(2日)は、爆発力ある司令塔・河村勇輝牽引のもと、各選手のディフェンス力やインサイドでの攻撃力も発揮され、第4クオーター終了間際に勝利をつかみかける大接戦を見せた。また、負傷したエース・八村塁欠場の中の3戦目(4日)、驚異的な3点シュート得点をあげたブラジルに対し終盤一時1点差に迫る大善戦を見せた。

3連敗を受けても、渡邊雄太は「間違いなく、日本の成長した姿を見せることができた。次は絶対勝てるよう頑張る」と自信を示した。トム・ホーバス監督は「この道は悪くない。ステップアップした」と手応えをつかんだ。“戦える日本”への自信を、男子代表はつかんだ。

同じ3連敗でも、置かれた位置が異なるバスケ男女日本。28年のロサンゼルスオリンピックに向け、それぞれの「道」を歩み始める。

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フジテレビ
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プライムオンライン バスケ取材班
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