柔道男子81kg級で史上初の五輪連覇を達成した長崎市出身の永瀬貴規選手(31)が、県民栄誉賞特別賞と長崎市の栄誉市民賞を受賞した。五輪後初めて帰省した永瀬選手は表彰式に母校での報告会と大忙し。故郷・長崎からの声援に笑顔で感謝の気持ちを表した。
「永瀬すぎないで」県民栄誉賞特別賞
長崎県庁での表彰式。永瀬選手は集まったファンから盛大な拍手が送られた。長崎県議会議場で県民栄誉賞特別賞受賞の表彰式が行われ、永瀬選手は大石知事から賞状などが贈られた。

パリ五輪柔道男子81kg級で史上初の五輪連覇!永瀬貴規選手:今後も私の競技活動を通じて長崎の発展に貢献することを目指し、皆様の期待に応えられるよう日々の努力を怠らず、柔道家としてまい進し、成長していきたいと考えております。
五輪後初めて故郷に帰省した永瀬選手。表彰式には、母校・長崎日大柔道部の恩師や後輩、多くのファンが駆けつけた。

中には、永瀬選手のストイックさをあらわす“永瀬すぎる”うちわを自作したファンもいた。ファンは「連覇をずっと続けていただきたいのと、いつまでも柔道をやり続けていただきたいと思うし、でも永瀬すぎないで頑張ってもらいたい」とエールを送った。

さらに永瀬選手は長崎市の栄誉市民の称号も贈られ、「本当に原点というか、私という人間ができた土台は間違いなくこの長崎で育ったからこそだと思っているので。また頑張ろうと思える、思わせてくれる存在。特別な場所です」と、故郷・長崎への思いを語った。
母校で永瀬選手からのプレゼント
表彰式にあわせて永瀬選手は2つの母校を訪れた。まずは諫早市にある長崎日大中学・高校だ。永瀬選手は全校生徒約1600人に拍手で迎えられ、「無事に連覇を達成することができて、金メダルをこうして長崎日大に持って帰ることができてうれしくもあり、ほっとしています」と述べた。
母校の祝賀セレモニーでは永瀬選手は2つのプレゼントを用意していた。

まずは後輩たちの前で世界の頂点に立った技の披露だ。柔道部員を相手に、得意技の足車や内股などを繰り出すと場内はどよめき、大きな拍手が鳴り響く。
次に立ちはだかったのは校長先生だ。

永瀬選手は大内刈りを仕掛け「一本勝ち」!校長先生にとっては、教え子の成長を肌で感じた瞬間となった。
金メダリストの技を受けた柔道部員は「技のキレがすごくてかっこよかった。永瀬さんは努力家で練習量がすごいと聞くので、そこは自分も尊敬してまねしたい」と先輩から頑張る力をもらっていた。

続いて後輩たちのために用意したのは、直筆サイン入りのパリ五輪グッズだ。フェイスタオルや日本代表デザインのTシャツなどがくじ引きで当たるたびに、生徒たちからは大歓声が上がった。記念切手が当選した生徒は「一生の宝物になる」と大喜びだった。

永瀬貴規選手:壮行会も昨年していただいて、そこで“頑張ってきます”と決意表明をしたので、そういった有言実行じゃないが、先輩としてかっこいい姿、模範になれるような姿を見せれていたらうれしく思います。
小学生相手に「一本負け」?!
もうひとつの母校は長崎大学附属小学校だ。子供たちの大歓迎に永瀬選手も自然と笑みがこぼれ、手を振って会場入り。さっそく子供たちからの質問タイムが始まった。
小学1年生の「いつどうして柔道をはじめたのですか?」との質問に対しては「柔道を始めた年は6歳。小学校1年生の時です」と笑顔で答えた。
永瀬選手が柔道を習い始めた道場に通う小学生兄妹が、世界王者に挑んだ。かなりの体格差ながらも小学生は果敢に攻める。

ちびっこ柔道家は苦戦するも、最後に背負い投げを決め、見事一本を取った。

対戦した兄妹は「強かった。それで内股で持ち上げられたが耐えられた」「永瀬選手はオリンピック連覇なのですごく感動している」と興奮気味だった。
最後に永瀬選手は子供たちに、これからに向けたメッセージを送った。
永瀬貴規選手:たくさん継続してやり続けることで、今回僕は金メダルを獲得できたと思います。みなさんも自分の目標を達成するために、毎日の日々の積み重ねを大事にしてもらえたらと思います。
永瀬選手は小さな後輩たちからの花束を手に、ハイタッチをして母校を後にした。
(テレビ長崎)