長野県中野市で猟銃やナイフで住民2人と警察官2人の計4人が殺害された事件から5月25日で1年。近くに住む青木政憲被告(32)は2023年11月、4人に対する殺人の罪などで起訴されたが、現在も裁判の日程が決まっていない。担当の弁護士によると、青木被告は事件についてほとんどしゃべっておらず、1年が経とうとしている。今も事件の真相はつかめていない状況だ。一方、友人や知人は今も変わらず深い悲しみの中にいる。
「悔やまれてならない」
現場に駆け付け犠牲となった中野警察署の池内卓夫さん(当時61)。
約40年、長野県警の音楽隊に所属し、ドラムを担当していた。
この記事の画像(5枚)池内さんが使っていたスティック。
音楽隊元楽長で、40年来の付き合いがあった県警OBの丸山栄三さん(72)は、定年の記念にもらったスティックを今も大切にしている。
丸山さんは、池内さんについて「技術面は向上心があったし、優しさがあるんですね。顔を見ると必ず近くによってきて声を掛けてくれる。そういう気持ちがすごくあった。だからなおさら、悔やまれてならない」と話し、今も深い悲しみの中にいる。
喪失感…「彼のことを思い出す」
事件から5月25日で1年。
音楽隊恒例のコンサートに出かけても喪失感は募るばかり。
丸山さんは「聞かせていただいて、そうするとやっぱり彼のことを思い出すんですよね。彼がいたらどういう演奏になっただろうかな…そんなことをどうしても思いだしますね。(事件を)防げることは、きっと、あると思う。その防げることができていれば、ああいう事件は起きなかったであろうと思いますし、今後、同じような事件が起きないことを切に祈っています」と声を振り絞った。
(長野放送)