2023年の秋に異常発生したカメムシ。2024年も春先から例年にないカメムシの大量発生が報告されている。少しでも刺激すると強烈な臭いを出す厄介者で、虫嫌いの人にとっては近づくのも避けたいところだが、家で見かけた時にどのように対処しているのか?

刺激すると強烈な臭い 駆除にも一苦労
2023年の秋に異常発生したカメムシ。2024年も春先から例年にないカメムシの大量発生が報告されている。少しでも刺激すると強烈な臭いを出すだけでなく、虫嫌いの人にとっては近づくのも避けたいところだが、家で見かけた時にどのように対処しているのか?
FNNビデオポストに投稿された動画では、手作りの対策グッズで駆除する様子が報告されている。例えば半分に切ったペットボトルを棒の先に付け、天井にいるカメムシを捕獲するなど、「危機を回避するため」のアイデアは様々だ。

全国から注目 カメムシ捕獲のアイデア商品を開発
一方で、今、全国から注目されている対策商品を販売する会社が島根県出雲市にある。

開発したのは木材加工会社で、商品名は、カメムシさん捕獲器「ぱっくりん」(税込3300円)。3年前に販売を始め、これまでに約2500個売れたという「ヒット商品」だ。
この「ぱっくりん」の使い方について、商品を開発・販売している浜村木材で直接伝授してもらった。

浜村木材・浜村雅男さん:
ちょっと手が届かないよという場合、「ぱっくりん」を持ってこういうふうに…。
先端のクリップに専用の粘着シートを取り付け、カメムシを「ぱっ」と抑え込んだ後、持ち手のレバーを握るとカメムシがくっついたシートが「くりん」と折りたたまれる仕組みに。

シートの中にカメムシが閉じ込められている状態となっていて、そのシートを足でおさえながら外し、クリップでつまむなどしてゴミ箱へ入れるだけ。手の届かない天井などにカメムシがいる場合でも簡単に捕獲できるとしている。

開発のきっかけは虫の苦手な家族の悲痛な声
ところで木材加工を手掛ける会社がなぜカメムシ対策商品を開発、販売しているのか?理由を聞くと、その原点は「家族愛」だった。

浜村木材・浜村雅男さん:
(息子の)嫁さんが紙コップで(カメムシを)ふさいで、「なんとかしてよ」とお願いされた。なんとかしてやろうという思いから、息子が考えて8年くらいでやっとこれができた。

きっかけは、息子・拓志さんの妻がカメムシの駆除に苦労していた様子からだった。家族のためを思い、構想から8年かけて開発、3年前からインターネットを中心に販売を始めたという。

そこから順調に注文が入っていた中、特に大量発生した2023年から売れ行きが絶好調。2024年に入ってから約500個が売れたとしている。
浜村木材・浜村雅男さん:
(カメムシは)冬場は冬眠状態というか隠れていたりするから、暖かくなったら出てくる。だから冬場はほとんど注文がない。春と秋に注文がものすごく来ます。

浜村さんによると、活動が活発になる春と秋に合わせるように、主に関西と関東から注文が舞い込んでくるとしている。カメムシの大発生を抑える有効な手立てがない中で、嫌な臭いをシャットアウトしながら捕獲できるというアイデア商品を活用して、うまく対処するしか今は方法がないのかもしれない。

(TSKさんいん中央テレビ)