近年続いている“災害級”の夏の暑さに、熱中症のリスクを身近に感じている人も多いだろう。 

熱中症は、命にかかわる危険な症状だ。 

熱中症のリスクを下げるには、夏本番前の今から体を暑さに慣れさせなければならない。日本気象協会がその方法やタイミングをサイトで公開しているので、要点を紹介する。 

年々暑くなる夏 

日本では、最高気温が35℃以上の猛暑日や、夜間の最低気温が25℃以上の熱帯夜の日数が増加しており、特に1990年代以降、高温となる年が多くなっている。今後、最高気温が40℃を超える日が珍しくなくなる可能性もあるという。  

2024年の6~7月の気温は、東日本や西日本、沖縄・奄美で平年より高く、8月の気温は、全国的に平年より高く、厳しい暑さとなる見込みだ。 

年々暑さが厳しくなる中、日本気象協会は「本格的に暑くなる前から、日頃の備えを体・行動ともに進める必要がある」と警鐘を鳴らしている。 

「暑熱順化」がリスクを下げる 

熱中症のリスクを下げるための積極的な対策の一つが、暑くなる前から「暑熱順化」をしておくことだ。

画像提供:日本気象協会「熱中症ゼロへ」
画像提供:日本気象協会「熱中症ゼロへ」
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暑熱順化とは、体が暑さに慣れること。人間の体は、暑い日が続くと次第に慣れて暑さに強くなる。 

暑熱順化ができていると、 
・皮膚の血流量が増えやすく、熱放散しやすい
・汗からナトリウム(塩分)を失いにくくなる 
・体温が上昇しにくくなる 
などの理由により、熱中症になりにくくなる。 

逆に言えば、暑熱順化ができていないタイミングで暑さにさらされてしまうと、体に熱がこもりやすく、汗でナトリウムを失いやすく、体温が上昇しやすい。つまり、熱中症になりやすい状態だといえるのだ。