15年後に高校に入学する生徒が7500人以上も減少する見込みの新潟県。学校数を維持したままでは2038年春には全ての県立学校で募集学級数が2学級以下になってしまう。統合・再編計画が待ったなしとなる中、新潟市で有識者会議が開かれ、新たな将来構想について議論した。

15年後…学級数は約6割減に!?

少子化が加速する中、新潟県は県立高校の今後のあり方について検討する有識者会議を設置し、新たな「将来構想」の策定を目指している。

県立高校の今後のあり方について検討
県立高校の今後のあり方について検討
この記事の画像(6枚)

5月15日に開かれた会合の冒頭で、佐野哲郎教育長は「生徒の減少が学校教育に及ぼす影響というのが、2024年3月にこの場で説明した時点よりもさらに大きくなっているのではないか」とその危機感を委員と共有した。

新潟県
新潟県

4月に発表された人口統計から計算すると、2024年春に1万8000人以上いた中学校の卒業者数は15年後には約7500人減少。

学級数に換算すると、現在から約6割減る見込みで、学校数を維持したままでは全ての県立学校で募集学級数が2学級以下になる見込みだ。

生徒数が減ることで各校に配置される教師が減少すれば、教育の質の低下が懸念される。

3月の会合では、委員から「教師を減らす必要がないという形にできれば、逆に言えば、手厚い教育ができる」などの意見が出ていた。

工業科・商業科など複数の専門学科の統合も

こうした中、県は当初、将来構想の計画を策定・実行する期間を2027年度からとしていたが、2025年度からに前倒すことを提案。

各エリアで1学年4学級以上の学校を少なくとも1校以上配置するために統合を進め、工業科や商業科などの専門高校については複数の専門学科からなる総合高校も含めて統合を検討するなどの案を示した。

委員からは「統合について県が責任を持って地域に提案してほしい」との意見や地理的条件などから小規模にならざるを得ない高校の位置づけなどを問う声があがった。

有識者会議の大澤義明座長は会議後、「先送りはできない案件だというふうに考えている。しっかりとした案をつくっていきたい」と話した。

少子化に対応した学校の統合・再編は質の良い教育を維持するためには、待ったなしの課題だ。

(NST新潟総合テレビ)