天皇皇后両陛下が主催される春の園遊会が23日、赤坂御苑で開かれ、長女の愛子さまが初めて出席された。
15年ぶりに再会した大物俳優とは、どんなやり取りがあったのだろうか。

小雨がやみ始まった「春の園遊会」

園遊会は、小雨が降る中で始まった。

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ところが、両陛下が姿を見せられる直前に空を見上げて傘をたたんだのは、出席した俳優の北大路欣也さん。雨がやんだのだ。

そして午後2時20分。天皇陛下と水色の洋装の皇后さまが姿を見せられた。
君が代が演奏される中、両陛下の隣には、秋篠宮ご夫妻、そして両陛下の長女・愛子さまの姿もあった。

これまで学業を優先し、出席を控えられていた愛子さま。社会人になり、今回が初めての出席。

そんな愛子さまの後ろを歩くのは、いとこにあたる秋篠宮家の次女・佳子さま。

一人一人と丁寧に言葉を交わされる両陛下

各界から、約1400人が出席した園遊会。

コロナの感染が落ち着き、マスクの着用も任意となる中、両陛下は一人一人と言葉を交わされた。

北大路さん:
顕彰式の折にはお話しを聞いていただき、ありがとうございました。これ役の上での“ひげ”ですので、失礼を…。

皇后さま:
今は何の役を?

北大路さん:
きのうまで富山で、「さすらい署長」というシリーズをやらせていただいて、地域の方に今大変なときなんですけどお世話になって、まだ完成はしていないんですけど、今やらせていただいております。

共に2月23日が誕生日の陛下と北大路さんは、約3分の歓談で笑顔が絶えなかった。

「長年にわたり、芸術にたけておられますね」とおつしゃる陛下に、北大路さんは「お誕生日が一緒なので頑張ってます。」と小さくガッツポーズをしながら笑顔で答えた。

Jリーグの生みの親・川淵三郎さんとは、海外で活躍する選手の話題で盛り上がった。

陛下:
サッカーにしてもバスケットボールにしても、日本選手が海外でも活躍を。

川淵さん:
国内だけでは限界がありますからね。

皇后さま:
奥さまもお好きでいらっしゃるのですか。サッカーとかバスケとかご覧になるのですか。

川淵夫人:
バスケットを初めてこの間、ワールドカップを沖縄で。

能登半島地震の被災地を気遣われる両陛下

一人一人と丁寧に言葉を交わされる両陛下は、能登半島地震で被災した石川県の県議会議長と歓談された際は…

陛下:
大変でございますよね。

善田議長:
天皇皇后両陛下には、2度も能登の方にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。

陛下:
大変な被害ですね。

善田議長:
そうですね。今も能登は、あの状態で時間が止まっているような状況です。

3月、4月と2カ月連続で被災地を見舞われた両陛下は、議長の体調を気遣われた。

陛下は、「大変だと思いますけど、どうぞお体お気をつけて。復興が順調に進みますことを心から願っております。」と言われ、善田議長は「どうもありがとうございます、しっかり頑張って参ります。」と深くお辞儀をされた。

この日は感染対策が一部緩和され、令和になって初めて海苔巻きや「ちまき」などの軽食が振る舞われた。

“初の園遊会”愛子さまと北大路欣也さんとの縁

午後2時すぎ、天皇皇后両陛下が主催される春の園遊会に初めて出席された、長女の愛子さま。

淡いピンクのアンサンブルに帽子を合わせた、春の装いで臨まれた。

出席者との歓談では、秋篠宮家の次女・佳子さまから声をかけられ、2人で笑顔を見せられる場面も。愛子さまは、一人一人と丁寧に向き合われていた。

両陛下と俳優の北大路欣也さんとの会話も、自然と愛子さまの話題になり、

北大路さん:
愛子さま、ご卒業、就職おめでとうございます。

両陛下:
ありがとうございます。

北大路さん:
本当に大変だと思いますけども、頑張っていただきたいなと。

皇后さま:
お仕事では周りの方、とてもいい方に囲まれて、とても楽しく。

北大路さん:
そういう出会いが一番大切ですからね。

皇后さま:
先輩方が優しく楽しく教えてくださるみたいで。

愛子さまも、北大路さんと笑顔で歓談された。
北大路さんは両陛下との会話の際、あるエピソードに触れた。

北大路さん:
家内とは「HACHI」の時にご一緒させていただいて、ありがとうございました。きょうは愛子さまにもその話を…覚えていらっしゃるか・・・。

皇后さま:
懐かしく、きのうもその話をして、大好きでございます。

北大路さん:
よかった~。

愛子さまと北大路さんとの縁は、15年前にさかのぼる。

幼い頃から、お住まいで犬を飼われていた愛子さまは、小学2年生だった2009年に忠犬ハチ公を題材にした映画「HACHI(ハチ)」の試写会で、リチャード・ギアさんの吹き替えを担当した北大路さんと並んで鑑賞された。

この日、15年ぶりの再会を果たしたお二人だが、どのような会話をしたのだろうか。北大路さんが明かした。

北大路さん:
先ほど愛子さんに申し上げて、「覚えてらっしゃいますか」と「当然覚えてます。とってもいい映画だった」って言うお話を聞いて、なんか感動しましたね。

…と話され、北大路さんは「きょうは本当に、熱っていうのかな、輝きを感じましたね」と感慨深い様子で語った。

一人一人と目を合わせにこやかに歓談

また愛子さまは、世界文化賞を受賞した美術家の横尾忠則さんと“猫談議”。

横尾忠則さん:
事務所に2匹、家に2匹、そこに野良猫が1匹、それをこの人(夫人)が世話している。

愛子さま:
猫好きで…どちらの方が猫好きで?

成人の会見で“人見知り”と自己分析されていた愛子さま。それでも、初めての園遊会では一人一人と目を合わせ、にこやかに歓談されていた。
(「イット!」 4月23日放送より)

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