大谷選手の口座から24億5000万円を不正送金していた水原一平容疑者。
新たに公開された訴状には、違法賭博に異様なほどのめり込んでいた様子が克明に記されていた。

1日平均25回 違法賭博収支はマイナス62億円

(訴状より)
2021年12月から2024年1月までの間に約1万9000件。平均すると、1日あたり約25件の賭けが記録されている。

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アメリカの連邦検察などが、日本時間4月12日未明に会見を開き、水原容疑者を銀行詐欺の疑いで訴追したと発表した。

掛け金は1回あたり200万円弱。
1日で平均25回もの違法賭博を行い、その収支はマイナス62億円を超えるという。

大谷選手の銀行口座から不正に送金した金額は、約24億5000万円。
2023年の大谷選手の年俸の“半分以上”にあたる金が、水原容疑者によって不正に送金されていたと指摘した。

捜査当局は、大谷選手は被害者だと強調。
そのうえで、水原容疑者の手口を次のように明かした。

捜査当局:
われわれは、水原容疑者が銀行員と電話で話した時の音声を入手しました。水原容疑者は、自分が大谷選手だとうそをつき、大谷選手になりすますため、個人情報を提供していました。

さらに、大谷選手の口座の連絡先が、水原容疑者の電話番号に変更されていたことなども判明。
捜査当局は、大谷選手の事実上のマネージャーを務めていた水原容疑者が、その立場を悪用したと指摘した。

大谷翔平選手(日本時間4月26日):
結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつみんな、僕の周りもそうですね。みんなにウソをついていたと。

事件が発覚してまもなく、大谷選手が語っていたこの言葉が、捜査によって裏づけられた形となる。

そして訴状には、この問題が報じられた4月20日、水原容疑者がうろたえていた生々しい様子も明らかにされた。

(訴状より)
水原はブックメーカーにこう答えた。
「厳密に言えば、俺は彼(大谷選手)からカネを盗んだ。俺はもう終わりだ」と。

専門家「禁錮2〜3年程度ではない」

裁判の行方はどうなるのだろうか。

まず、日本円で24億円を超える銀行詐欺罪に問われることについて、専門家はこう話す。

国際弁護士・村尾卓哉さん:
被害者が複数人いて、1人から100万円ずつとり、合計で20何億円はわかるが、単体の人間からとるのは、考えられないくらい大きい。

最大で禁錮30年の量刑が課される銀行詐欺罪。

専門家は、水原容疑者側が「有罪答弁取引」を持ちかけるのではないかと指摘する。

国際弁護士・村尾卓哉さん:
「有罪答弁取引」は、罪であることを認めて、その代わり裁判で争わないので、軽い刑を求めるもの。

この「有罪答弁取引」が成立すると仮定した場合、水原容疑者にはどの程度の量刑が課されるのだろうか。

国際弁護士・村尾卓哉さん:
(有罪答弁)取引をしても、禁錮2〜3年程度ではないと思う。事件として被害額が大きすぎる。

水原容疑者は、日本時間4月13日午前6時にロサンゼルスにある連邦地裁に出廷する見通しだ。
(「イット!」4月12日放送より)