鉄道に乗るのが好きな人は多いと思うが、貨物列車に乗車したことがある人は少ないことだろう。
そんな「貨物列車乗車体験」ができるイベントを秩父鉄道株式会社(埼玉・熊谷市)が、4月25、26日に開催する。
同社が埼玉県で運営する秩父鉄道は、羽生駅から三峰口までの71.7kmを結んでおり、旅客だけでなく私鉄としては数少ない貨物輸送も行っている。現在、運行している貨物列車は、沿線の鉱業所や工場から太平洋セメント熊谷工場に石灰石を運んでいるという。
積載される貨物の気分を体感できる?
なお今回の貨物列車乗車体験は、同社として初めての試み。イベントは広瀬川原車両基地で行われ、貨物列車をけん引する電気機関車の運転台見学、貨車の車掌室見学、そして貨車の荷台に乗って構内を走行する。
リリースでは「積載される貨物の気分も体感することができます」と、普段味わえない体験をアピールしている。
同イベントは2日間で午前・午後の合計4回開催で、参加人数は各回最大6人。参加申込は21日まで受付の予定だったが、すでに定員に達したとのことだ。
ところで、なぜ貨車に乗る体験会を開くことになったのか? 貨車に乗るのはどんな感じで、どのくらいのスピードが出るのか?秩父鉄道の担当者に聞いてみた。
天井や壁がなく風や外の景色が楽しめる
――なぜ、貨物列車乗車体験を行うことになった?
私鉄では数少ない貨物輸送を行う秩父鉄道の魅力を知っていただきたいと思い企画しました。
――参加きるのは、高校生を除く18歳以上となっていたのはなぜ?
初めての試みのため、安全上年齢制限を設けています。
――荷台に6人乗ることになるの?
乗車体験の際は、トキ(貨物列車)に4名・電気機関車運転台に1名・ヲキフ(貨物列車)車掌室に1名が乗車します。全員がそれぞれの箇所への乗車ができるよう順番に位置替えをします。
――体験会ではどのくらいスピードで走る?乗り心地は?
時速10km以下で走行しますが、少し揺れを感じます。天井や壁がなく風や外の景色を楽しめるため、トキならではの体験ができます。
今回の募集は定員に達してしまったが、他ではなかなか体験できない荷台に乗車してみたい人は多いのではないだろうか。
ちなみに4月27日には同じ会場で、線路のメンテナンスなどに使われる「軌道モーターカー」の撮影会も行われる。料金は1人15000円で定員は30人。こちらはまだ受け付けているとのことだ。