夜行列車といえば、寝台列車を思い浮かべる人が多いだろう。
そんな中、普通列車のロングシートを独り占めできる夜行列車のイベントが開催され、人気を集めた。
企画したのは、新潟県のえちごトキめき鉄道。普段は通勤通学や日常生活を支える妙高はねうまラインの普通列車(ET127系)を2月24日のみ限定で「普通夜行列車」として運行したのだ。
スケジュールは夜の22時9分に直江津駅を発車し、妙高はねうまラインの終点・妙高高原駅に到着したら、すぐに直江津駅に戻る。そしてもう1度、妙高高原駅まで行って、朝6時18分に直江津駅に戻るというルートで、トータル2028メートルの標高差を行き来した。
定員は16人で、寝台がない代わりに参加者はロングシート6人横並びを独り占めにした。
一風変わった夜行列車は注目を集め、企画が発表されると30分で完売。具体的にはどのような点が注目されたのだろうか。2月24日にすでに行われたわけだが、参加者からはどんな声があったのか?えちごトキめき鉄道の担当者に詳しく話を聞いてみた。
普通列車×夜行列車の非日常体験
――なぜこの企画をやろうと思った?
弊社では通常、「国鉄形観光急行」という国鉄形車両を使用して夜行列車を運行しておりますが、現在、検査の為運休しております。代わりの企画を検討しているなかで、ロングシートしかない普通列車の車両で夜行列車を実施することで、普段と違う非日常体験をお楽しみいただけると思い企画いたしました。
――即完売したことをどう思う?
定員が少ないことも影響していると考えておりますが、普通列車×夜行列車の非日常性を面白いと思っていただけたと考えております。
――この企画の一番の楽しみ所はどこだった?
列車の中で横になって寝るという、非日常体験がお楽しみいただけます。そして、普段は普通列車(各駅停車)として運行している列車が、この日限定で夜行列車となることもこの企画ならではと考えております。
――シートはどのように使って欲しいと考えていた?
座席で横になってゆれを感じながらお休みいただきたいと考えています。
利用者の声「想像以上に快適」「普段と違って面白い」
――どんな人が参加したの?
新潟県内や関東関西から幅広い年齢層の方に参加いただいております。
――開催してみた感想は?
想定より好評をいただき、新しい弊社の夜行列車旅の形をご提供することができたと考えております。
――参加者の感想を教えて。
以下、頂戴した感想を、箇条書きにて抜粋いたします。
・想像以上に快適に過ごすことが出来た。
・普段は通勤通学や生活の足として利用され、日常に溶け込んでいる車両が夜行列車になるところが面白い。
・この電車に思い入れがあり、久しぶりに乗ることが出来て良かった。
・夜行列車に初めて乗ったが、普段と違って面白い。
・2両編成という短い編成の夜行列車が面白い。
――次の開催は考えている?
現時点では考えておりませんが、引き続きお客さまにお楽しみいただける企画を検討して参ります。
非日常が体験でき、参加者にも好評だったようだ。えちごトキめき鉄道には今後もこうした企画でも楽しませてほしい。