10日午前に退職届を受理された静岡県の川勝知事が会見し、辞職の時期を早めた理由について「県政の空白を短くするため」と述べた。

川勝知事は4月1日に行われた県庁の入庁式で、新規採用職員を前に職業差別とも受け取れる発言をし、翌2日には、6月の定例県議会で辞職すると表明していたが、きょう辞表を提出した。これにより、5月9日いっぱいで自動失職することになる。

辞職の時期を当初6月とした理由について、川勝知事は、「辞意表明した以上、直ちに辞任するのが望ましいのですが、があまりに突然だったので、前の知事が3月中旬に辞意を表明し、6月中旬の議会定例会で辞職を提案されたのにならった」と説明した。

その上で、「私の発言等で県民の皆様方にたいへんなご迷惑がかかっている自覚がありましたので、なるべくそれを早く止めたい。けん制の空白を短くする」として、県議会の代表者会議が行われる今日10日に辞表を提出したと説明した。

川勝知事は10日午前に辞職に向けた心境を聞かれた際に、明智光秀の娘で、夫・細川忠興のことを案じて、石田三成の人質になることを拒んで命を絶った細川ガラシャの辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」を口にした。身の引き際の重要さを説いた歌だ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。