山形市の結婚式場に勤務する男性社員が、サービス技能を競う大会で日本一に輝いた。「より良いサービスを提供し喜んでもらいたい」との信念を貫く男性の技と想いを取材した。
東北初の金賞受賞
サービス技能日本一に輝いたのは、山形市荒楯町のパレスグランデールでサービススタッフとして働く高橋隼門さん(28)。
この記事の画像(9枚)2024年2月に東京で行われた、ホテル・レストランで働くスタッフのサービスや仕事に対する意識を競う大会「HRSサービスコンクール」で日本一に輝いた。
大会は今回で18回目で、県内を含め東北の出場者が日本一になったのは初めてだ。
元々は料理人として入社
審査の対象は、課題レポートや1分間のスピーチのほか、カモ肉の取り分けや、バナナを使ったデザート・バナナフランベの実技審査が行われた。調理の際の体の動きはもちろん、炎の上がり方や料理の仕上がりなどが総合的に審査された。
高橋さんに再現してもらったバナナフランベは、甘く、香ばしい香りが漂い、きらきらと輝いていた。
サービススタッフ10年目、南陽市出身で、山形学院高校の食物調理科を卒業した高橋さんは、パレスグランデールに料理人として入社した。
しかし、入社後すぐの研修で、結婚式場内のサービス業務を経験。お客と直接触れ合う“お金には変えられない充実感”を覚え、料理人からサービススタッフとしての部署異動を志願した。
パレスグランデール・高橋隼門さん:
毎日がうれしく、お客さまから「ありがとう」というようなお言葉を頂戴したり、お客さまの笑顔を拝見するだけで十分幸せですね
金賞獲得は「身が引き締まる思い」
部署を移動し、イチからサービスについて学んだ高橋さんは、着こなしや姿勢・言葉遣いや表情まで、徹底して磨き上げた。日本一の栄誉を獲得したが「おごり」は一切ない。
パレスグランデール・高橋隼門さん:
金賞獲得はすごくうれしい気持ちもあるが、それ以上に身が引き締まる思いの方が強い。いらしたお客さまの安心と安全が第一だと思っている。表情や所作を今後も気をつけていきたい
高橋さんの金賞受賞に、武田靖子専務取締役は「いつの間にか『本当に成長したんだな』と感銘を受けた」と話す。そして「向上心を皆で共有しながら、山形でさらに評価される・貢献できるような仕事をしていきたい」と語る。
日本一のサービスに磨きをかけ、さらなる高みを目指す高橋さんに会った際、何よりもまず笑顔が印象的だった。
高橋さんは現在、後輩の育成にも携わっているということで、今後はいろいろなことにチャレンジする後輩の後押しもしていきたいと話していた。
※高橋隼門さんの「高」はハシゴダカ
(さくらんぼテレビ)