山形新幹線の新型車両「E8系」が3月16日にデビューするのを前に試乗会が開かれ、キャスターが乗り心地を確かめてきた。今回で3代目、つばさの歴史も振り返る。

デビュー目前「E8系」試乗会に参加

デビューまであと10日となった3月6日、JR山形駅の新幹線ホームには、2023年に復刻されたデビュー当時のシルバーカラーの車両の隣に、新型車両「E8系」の姿があった。

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6日は午前に報道関係者、午後は抽選で選ばれた300人が試乗した。

車内は黄色とオレンジの紅花カラーのデザイン
車内は黄色とオレンジの紅花カラーのデザイン

車両に入った瞬間、鮮やかな黄色とオレンジの紅花カラーが目に飛び込んでくる。グラデーションになっていて気分が明るくなる印象だ。

E8系の車内は、“車いすスペース”や“荷物置き場”を広くし、座席数はこれまでより少し減って352席になる。シートの間隔は変わらず、普通車の座席の幅が1cm・奥行きが4cm広くなった。

さらに、すべての座席のひじ掛けの下にコンセントを設置。
スピードアップはもちろん、利便性という点でもつばさは進化している。

ミニ新幹線「つばさ」の歴史

べにばな国体前の1992年7月、在来線の線路に乗り入れる全国初のミニ新幹線として、山形新幹線は開業した。

「400系」と呼ばれる初代・つばさは、シルバーメタリックを基調にした斬新なデザインが注目された。

「400系」と呼ばれる初代・つばさ シルバーメタリックを基調としたデザイン
「400系」と呼ばれる初代・つばさ シルバーメタリックを基調としたデザイン

山形駅と東京駅を最短2時間27分で結び、好調な利用を背景にわずか3年後には、6両編成から今と同じ7両編成に変更された。

「銀色のつばさ」のイメージを受け継ぎ登場した「E3系」
「銀色のつばさ」のイメージを受け継ぎ登場した「E3系」

山形新幹線といえば「銀色のつばさ」。そのイメージを受け継ぎ、次に登場したのが、秋田新幹線と同じ「E3系」だ。

車両側面に描かれた大きな“鳥の翼”
車両側面に描かれた大きな“鳥の翼”

1999年12月の新庄延伸に合わせてデビューし、車両の側面には大きな“鳥の翼”がデザインされた。

2008年に登場「E3系2000番台」
2008年に登場「E3系2000番台」

その2代目つばさがモデルチェンジしたのが、2008年に登場した「E3系2000番台」だ。

車内は紅花や蔵王の紅葉をイメージした“赤”で統一
車内は紅花や蔵王の紅葉をイメージした“赤”で統一

車内は紅花や蔵王の紅葉をイメージした温もりある赤で統一された。
今では当たり前の電源コンセントが座席に備えられたのも、JR東日本の新幹線ではこの「2000番台」が最初だった。

そして、2014年、つばさのイメージが一新される。

2014年、外観が一新!
2014年、外観が一新!

山形デスティネーションキャンペーンに合わせ、山形市出身の工業デザイナー・奥山清行さんがデザインした「おしどり」の紫、「紅花」の黄色、「蔵王の雪」をイメージした外観に変わった。

列車の中で足湯に浸かれると話題に 観光列車「とれいゆつばさ」の運行も2014年にスタート
列車の中で足湯に浸かれると話題に 観光列車「とれいゆつばさ」の運行も2014年にスタート

また、列車の中で足湯に浸かれると話題になった、観光列車「とれいゆつばさ」が運行を始めたのも同じ2014年だった。

「新車両はいつ見てもワクワクする」

そして、外観のイメージは引き継ぎ、25年ぶりに新型車両「E8系」が導入される。

空気抵抗を減らし、最高速度はこれまでより25km速い、時速300kmに。東京~山形間の所要時間は4分短縮され、最短で2時間22分になる。

6日は、いち早く写真を撮ろうと、山形市の沿線に約10人の鉄道ファンが集まっていた。

栃木から旅行中の大学生:
たまたまだけど見られて良かった。将来は運転士を目指している。新しい車両はいつ見てもワクワクするので将来運転してみたい

山形市から:
1時間くらい待っていた。試乗会の抽選が外れたので写真は撮っておこうと。今までの車両を並べてみたい

山形新幹線の15往復のダイヤのうち、E8系は当面3往復運転される。
デビューする3月16日には、新庄駅・山形駅・米沢駅で記念のセレモニーが行われる。

(さくらんぼテレビ)

さくらんぼテレビ
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