大相撲・春場所で13勝を挙げ、110年ぶりとなる“新入幕優勝”の快挙を果たした尊(たける)富士関。

14日目の取り組みで右足を負傷しながらも痛み止めの注射を打ち臨んだ千秋楽の大一番では、平幕・豪ノ山関を押し倒し、自らの手で優勝をつかみ取った。

この偉業について、高校・大学時代の相撲部の先輩で、プロレスラーの石田有輝さんに話を聞いた。

嬉しさと共に寂しさも

ーー優勝の瞬間は見ていた?

僕が所属する団体のバーでちょうどテレビを見ていて、優勝の瞬間を見ました。

前日の取り組みで足を負傷してすごく心配でしたが、千秋楽もちゃんと出てきて、凄いなと思い、そこに意地を見ました。

絶対に優勝するぞという気持ちがすごく格好良かったです。

高校・大学時代の相撲部先輩でプロレスラーの石田有輝さん
高校・大学時代の相撲部先輩でプロレスラーの石田有輝さん
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ーー優勝した尊富士関を見てどう思った?

高校、大学で一緒にやっていた身近な後輩が大相撲でいきなり優勝するのがとても不思議な感覚で、何だか手が届かないところに行っちゃったような感じがします。

すごいことを成し遂げたなという思いで、めちゃめちゃ嬉しいですけど、ちょっと寂しさもあります。

学生時代の尊富士関と石田さん
学生時代の尊富士関と石田さん

ーー今も連絡をとっている?

今はそんなに頻繁に連絡は取っていません。

一番最近連絡したのは新十両になった時ぐらいで、昨年12月にアマチュア日本一を決める「天皇杯全日本相撲選手権大会」を見に行った時に会って、それが一番最近です。

優勝後も連絡はしましたが、忙しいからかまだ返事はないです。

優勝は努力の賜物

初土俵から10場所目の優勝は史上最速。

さらに51年ぶりの新入幕力士による三賞独占と、記録ずくめとなったが、学生の頃からストイックな一面があったと石田さんは話す。

プロレスラーとして活躍する石田さん(提供:DDTプロレスリング)
プロレスラーとして活躍する石田さん(提供:DDTプロレスリング)

ーー尊富士関はどんな人?

結構多趣味だと思いますが、ストイックです。

トレーニングがめちゃくちゃ好きで、学生時代はよく筋トレのYouTubeとかを見て、そこからトレーニングの知識を得て自分なりにすごくやっていました。

それで体がでかくなり、今はもっと大きいですけど、学生時代からストイックな一面があり、後輩ですけど見習うところがありました。

(イメージ)
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ーー今回の快挙達成の背景は?

学生時代にはケガが結構多くて、悔しい思いをしたと思います。

その中で僕が言える立場ではありませんが、大相撲で結果を残すために貪欲にやってきた結果だと思います。

負けず嫌いなので、そうした気持ちが今回の結果を生んだのだと思います。

彼の相撲のスタイルを見てもらうとわかるんですけど、まっすぐ行きます。
優勝は地道にやってきた彼の努力の賜物だと思います。

オシャレできれい好き

「相撲をやっている以上、あの景色は何回見てもいい」と優勝を振り返った尊富士関。

プライベートではベッドの側面にライトを付けたり、香りや服装にこだわるなど、意外な一面も覗かせていた。

(イメージ)
(イメージ)

ーープライベートはどんな感じ?

服が結構好きで、僕もよく一緒に買いに行っていましたが、こだわりが強かったです。

自分の好きなブランドで全部揃えたり、大学時代は寮の部屋もすごくきれいにしていてマメなところがありました。

良い香りがするものを置いているオシャレな部屋で、ボディークリームとかも使っていたと思います。

尊富士関が好んでいたボディークリーム
尊富士関が好んでいたボディークリーム

ーーどういう香りだった?

定かではありませんが、バーベナ系(※)が多かった気がします。
甘い匂いが多分好きだったのかなと思い、僕はちょっと疎くてわかりませんが、使っていたのは海外の製品だったと思います。

寮の部屋も自分のスペースをきれいに整理していました。

部屋自体はいたってシンプルなんですけど、ベッドの側面にライトを付けて部屋の照明を落としてもそこだけ光るような装飾をしたり、色を白なら白で全部統一していました。

大きい人はガザツと思われがちですが、彼はきれい好きという一面がありました。

※バーベナ:クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)の植物の総称

バーベナ(イメージ)
バーベナ(イメージ)

ーーどのようにお祝いしたい?

一緒に飲みに行きたいです。
最近そんなに会えていないので、食事でもできたら良いなと思います。

プレゼントは匂い系を研究して、ボディークリームをあげたいと考えています。