自民党青年局の懇親会に、肌を大きく露出した女性ダンサーが参加するなどした問題。その波紋がさらに広がっている。

「私の想定を超えた不適切が状況になっていた。口移しまでは想定できていませんでした」と話すのは、ダンスショーを企画した自民党和歌山県連青年局長の川畑哲也県議。3月11日、和歌山県連に離党届を提出した。来週の党大会を前に、自民党に激震が走っている。

「ぱっと振り返った時、そういうシーンになっていた」

2023年11月に和歌山市で開かれた自民党青年局の懇親会で、女性ダンサーを派遣した会社のホームページを見ると、肌を大きく露出した女性が並んでいる。

2023年11月、和歌山市で開催された自民党青年局懇親会で女性ダンサーを派遣した会社のホームページ
2023年11月、和歌山市で開催された自民党青年局懇親会で女性ダンサーを派遣した会社のホームページ
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圧倒的なビジュアルとパフォーマンスで、クラブハウスなどで年間1000回以上ステージに立ち、台湾で公演したこともあったと書かれている。

台湾で公演したこともあったと書かれている
台湾で公演したこともあったと書かれている

このダンスショーを企画したのが、和歌山県議の川畑哲也氏だ。

3月8日付けの産経新聞ウェブ版記事より
3月8日付けの産経新聞ウェブ版記事より

懇親会に肌を大きく露出した女性ダンサーが招かれ、参加者が口移しでチップを渡す場面もあったなどとする問題。

11日、川畑氏が取材に応じ、事実関係を認めた。

自民党 和歌山県連青年局長 川畑哲也県議:
ぱっと振り返った時に、そういうシーンになっていたというのを見た記憶はございます。口移しまでは想定できていませんでしたけど、チップないしそういうものを渡すということは想定していました。私はチップを1人の方にお渡ししました。

自らも、女性ダンサーにチップを渡したという川畑氏。肌を露出した女性ダンサーを招いた理由については「新感覚のおもてなし」だったという。

懇親会のテーマである「多様性・ダイバーシティの要素にかなうのかな」と話した
懇親会のテーマである「多様性・ダイバーシティの要素にかなうのかな」と話した

川畑哲也 和歌山県議:
(テーマが)多様性、ダイバーシティということでございまして。もろもろの(要素の)要件にかなうのかなと。

「多様性」という言葉を強調した川畑県議。懇親会に参加者した他の県議は…。

「僕はチップを入れていないですけど、そういうのもあったかもしれないですね」
「僕はチップを入れていないですけど、そういうのもあったかもしれないですね」

自民党 和歌山県議会 北山慎一議員:
ダンサーが来るというのは聞いていましたけど、中身については聞いていなかったものですから。(ダンサーの格好は?)水着に近いような感じ。僕はチップを入れていないですけど、そういうのもあったかもしれないですね。(北山県議ご自身は?)私はしていないです。

自民党 和歌山県議会 山家敏宏議員
自民党 和歌山県議会 山家敏宏議員

自民党和歌山県議会の山家敏宏議員は「主催県だったので、ふさわしくないと感じました」と話した。

和歌山県連は懇親会のあと、川畑氏を厳重注意したという。

川畑県議は離党届を提出した一方、議員辞職については否定
川畑県議は離党届を提出した一方、議員辞職については否定

川畑氏は「迷惑をかけた」として、11日に離党届を提出。一方で議員辞職については否定している。

自民党青年局長と青年局長代理が役職辞任

この問題を巡って、懇親会に参加していた自民党の藤原青年局長と中曽根青年局長代理が役職辞任した。

役職を辞任した自民党 藤原青年局長と中曽根青年局長代理
役職を辞任した自民党 藤原青年局長と中曽根青年局長代理

会見では、ダンサーへのボディタッチを否定した藤原氏だったが…。

「当時の記憶の中ではダンサーに触っていない」としどろもどろな説明に終始する自民党 藤原前青年局長
「当時の記憶の中ではダンサーに触っていない」としどろもどろな説明に終始する自民党 藤原前青年局長

自民党前青年局長 藤原崇氏:
(万一触っていたら議員辞職する?)今の認識では触っていないということであります。(変わる可能性はあるんでしょうか?)それは基本的にないです。(触っていたら議員を辞めますか?)議員の職責については、軽々にお話するものではないと思いますので、そこは申し訳ないですけど、お話しはさせていただかないと。(触ってるんですか?)触ってないです。
当時の記憶の中では触ってないです。それについては、えー、そのままです。ただそれについて、えー…今の記憶でということ。それは基本的に間違いがないと思っています。記憶違い等が万一あったときに、すべてを無にする話ですので、今の時点では…。

このように、しどろもどろな説明に終始した。

11日、台湾の議員団が自民党青年局の議員らとの懇談会のため自民党本部を訪問
11日、台湾の議員団が自民党青年局の議員らとの懇談会のため自民党本部を訪問

そうした中で11日、台湾の議員団が自民党青年局の議員らとの懇談会のため、自民党本部を訪問。

藤原氏が主催したものの、本人が役職辞任したため欠席することに。

懇談会のため自民党本部を訪れた台湾議員団
懇談会のため自民党本部を訪れた台湾議員団

台湾議員団は、藤原氏と中曽根氏の辞任について聞かれると「存じていますが、詳しい内容は知りません」「我々はすべての内容を把握していませんのでコメントしかねます」とした。

17日に控える自民党大会を前に発覚した“過激パーティー”に、党内からは悲観的な声が出ている。

自民党議員A:
パリ研修の女性局に続き青年局もか。

自民党議員B(ベテラン):
立ち直るきっかけを失った。

自民党議員C(若手):
(支持率も)下がるでしょうね。なんでこの時期なんですかね。

「岸田さんは解散を打てなくなった」と指摘
「岸田さんは解散を打てなくなった」と指摘

ある閣僚経験者は「党大会は突き上げの場、ターニングポイントになる。岸田さんは解散を打てなくなった」と指摘。

降って湧いた新たな火種で、党大会は大荒れとなる可能性がある。
(「イット!」3月11日放送)

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