台湾・台北市で行われた世界ジュニアフィギュアスケート選手権。
全日本ジュニアで初の表彰台にのぼった櫛田育良(16)は、世界ジュニアで5位だった。
今シーズンはこの世界ジュニア出場を目標に掲げていた櫛田。
「今まで以上に世界の舞台に出たいという気持ちが強くなった」という櫛田は、今シーズンの経験を来シーズンにも生かしていきたいと語った。
3位発進のショートに「ホッとした」
身長166センチという、長身を生かした美しい滑りと表現力を持つ櫛田。
この記事の画像(9枚)初の世界ジュニアのショートは、3つのジャンプをすべて成功させ、パーフェクトな演技を披露した。
年末の全日本選手権でショート落ちを経験した櫛田にとっては大きな成長だった。
ショートを終え、「今回の演技は大きなミスはなく終われたので、とてもホッとしています。
初めての大きな舞台で、今まで以上に緊張していました。全てのジャンプをそろえることができてとても嬉しいです」と喜びを明かす。
演技直前の6分間練習ではジャンプで転倒していたが、本番で見事に決めてみせた。
「6分間練習は少し、いつもと感覚の違うジャンプがあったりして、本番臨む前にとても不安でした。
1本目のジャンプを大きなミスなく降りることができたことで、次のジャンプも自信を持てました」
自身も手応えのあったショートは3位スタート。
「元気いっぱい、初めての世界ジュニアを楽しみたい」と、フリーは最終グループでの4番滑走となった。
あきらめずに最後まで滑りきった
そのフリーは、ダブルアクセルからの転倒が響き、順位を大きく下げてしまう。
フリー11位、総合5位で櫛田は初の世界ジュニアを終えた。
「アクセルでミスしてしまったことがとても悔しいです」
フリーを終えた後、初めて経験する世界の大舞台に緊張したと語る櫛田。
「とても緊張していつも通りの動きができていなかった。後半に入ってからも予定では最初のジャンプで、3回転ルッツ+3回転トゥループを跳ぶ予定だった。
その3回転ルッツからのコンビネーションを狙っていたので、後半入ってからもミスが出てしまってうまく切り替えられなかったのかな。
後半に向けて徐々に緊張もしていて、最初よりは動きがよくなってきて、盛り上げようという気持ちで滑っていました」
最後まであきらめずに滑りきった櫛田の経験は来シーズンにも生きてくるはずだ。
「この舞台まで来られたので、思いっきり楽しもうという気持ちと、いい経験をするためにあきらめずに最後まで滑ろうという気持ちでやりました。
悔しさは残りますが、初めての世界ジュニアでとてもいい経験ができたと思います」
大きな舞台で実力を発揮するのは難しい
「まだ悔しさが残る」という櫛田に、翌日話を聞くと「いい経験がたくさんできた」今シーズンの経験を生かして、来シーズンに臨みたいと話した。
「昨日はとても悔しい気持ちが大きくて一夜明けたら悔しい気持ちもまだたくさんあるんですけど、とてもいい経験ができたなと思っています。
今回、今までで1番大きな舞台で、ショートで自己ベストを出したことは、とても自信に繋がることだと思います」
今季の最大の目標は世界ジュニアの代表だった櫛田。今シーズンをこう振り返る。
「このシーズンは前半では少し調子が良くなかったり、いろいろありました。最終的にこの大きな舞台に来ることができて、世界ジュニアの舞台で演技をすることができて、とてもいい経験がたくさんできたシーズンだった。
海外の大きな舞台にもたくさん出させてもらったので、そこで実力を発揮することが、とても難しいことだということもわかった。次のシーズンに向けて、もっともっと大きな舞台で自分の実力を十分に発揮できるように頑張りたい」
櫛田は既に来シーズンを見据える。
「来シーズンに向けて、今シーズンできなかったことや、たくさん試合に出させてもらって、たくさんの課題も見つかった。
来シーズンに向けて、そこをちゃんと改善して、来シーズンもこの舞台に戻ってこれるように頑張りたいです」
今シーズンの経験から、今まで以上に世界の舞台に出たい気持ちが強くなったという櫛田。
惜しくも届かなったメダルを、来シーズンこそつかんでほしい。
世界ジュニアフィギュアスケート選手権2024
3月10日(日)深夜2時50分~3時50分https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/worldjr/index.html