ヘンリー王子夫妻が新たに立ち上げたウェブサイト「サセックス・ドットコム」が、物議を醸している。
サイトには、慈善活動の映像のほかに、王室称号を使った紋章が掲載されており、王室の称号を私的な宣伝に使っているとの懸念が指摘されている。

カミラ王妃は“単独公務” 国王はがん診断後初めて公の場に

がんと診断されて治療中のチャールズ国王の妻・カミラ王妃は、ロンドンで開かれた式典に出席した。

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カミラ王妃は13日、公邸のクラレンスハウスで、老舗扇子メーカーの式典に出席し、関係者と歓談したり、王室ゆかりの扇子を鑑賞した。

がんと診断され治療中の夫・チャールズ国王は11日、カミラ王妃と2人で初めて公の場に姿を現し、報道陣に手を振る姿が目撃されている。

一方、デイリーメール紙は9日、腹部の手術を受けたウィリアム皇太子の妻・キャサリン妃が、初めて外出したと伝えている。

イギリス王室をめぐっては、療養に入っているチャールズ国王とキャサリン妃が回復するまでの間、公務は主にカミラ王妃とウィリアム皇太子が担うことになる。

ヘンリー夫妻が新ウェブサイト公開も…

ここからは、フジテレビ・立石修取材センター室長がお伝えする。

チャールズ国王、そしてキャサリン妃の療養が続く中、ヘンリー王子夫妻に新たな動きがあった。

国王のお見舞いでヘンリー王子が帰国したことから、和解を期待する声もあったが、アメリカに戻って数日後に、ヘンリー王子夫妻が新しい自分たちのウェブサイトを立ち上げた。
そして、これが早速イギリスで物議を醸している。

ヘンリー王子の称号であるサセックス公爵から引用した「サセックス・ドットコム」というウェブサイト。

最初のページには「サセックス公爵と公爵夫人であるヘンリー王子とメーガン妃のオフィス」と書かれていた。
内容は、夫妻の略歴や活動報告などが主に掲載されている。

そしてウェブサイトには、2人が運営する慈善団体のリンクも張られており、活動の様子も映像として見ることができた。
夫妻が、少年少女やさまざまな人種の人たち、地域社会の人々とふれあう姿が動画で紹介されている。

2人は、人道支援や慈善活動を「ライフワーク」と言っていて、ウェブサイトでもそこにフォーカスしている。

掲載されている写真は、メーガン妃がアメリカに住むアフガニスタンの移民女性たちとアフガニスタン料理を作ってふれあっているというものだ。
これら女性たちへの社会支援などについて、メーガン妃が話し合ったと掲載されている。

── 内容は問題がない気がするが、なぜ物議を醸しているのだろうか?

サイトの最初のページで使われている「紋章」が問題となっている。
これはヘンリー王子の正式な称号である「サセックス公爵」を表すもので、王室から与えられたものだ。

そしてサセックス公爵と、その夫人という名称も王室から与えられた正式な名称だ。
2人は公務を行っていないのに、なぜ使用しているのかということが問題になっている。

イギリスの新聞「デイリーメール」によると、「王室の称号や紋章をビジネスとみられる目的で使用すれば、王室が抗議する可能性がある」としている。

エリザベス女王人気に便乗か

ヘンリー王子夫妻は慈善活動も熱心だが、その一方で、ネットフリックスとドキュメンタリー制作で巨額の契約をしたり、暴露本を出版したりと、メディアを中心にビジネスも展開している。

王室の称号を、私的な宣伝に使われるという懸念が指摘されている。

2019年、ヘンリー王子夫妻は「サセックス・ロイヤル」という名義で、インスタグラムなどにアカウントを開き、ビジネス展開を目指していた。

だが、この「ロイヤル」という言葉を商業利用することにエリザベス女王が怒って、使用を差し止めたことも大きなニュースとなっていた。

こういった経緯もあり、今回のウェブサイトは「ロイヤル」という文字を使わず、「サセックス・ドットコム」となっている。

今回の新しいウェブサイトでは、タイトル以外は王室との関係はほぼ描かれていないが、右下にあるリンクをクリックすると、2020年に2人が開設したサイトに飛ぶようになっている。

そこには、公務からは退いて王室から飛び出した2人だが、「君主に仕える」とのタイトルが書かれている。

さらに下にスクロールすると、2人が尊敬しているとされるエリザベス女王とヘンリー王子の公務風景が出てくる。
さらに下には、メーガン妃が笑顔でエリザベス女王に寄り添う姿などが大写しで出てくる。

一方で、絶縁状態ともいわれたチャールズ国王やウィリアム皇太子、キャサリン妃は一切出てこない。
亡くなったあとも絶大な人気を誇るエリザベス女王の人気に乗っかっている印象も受ける。
こういったこともあり、イギリスでは物議を呼んでいる。

また、ヘンリー王子は6日に国王の見舞いを終え、イギリスに約24時間滞在し、アメリカに戻ったが、翌日の8日にはラスベガスへ向かい、スーパーボウルで盛り上がったNFLの受賞イベントにサプライズ出演していた。

アメリカの雑誌「ピープル」によると、ヘンリー王子はがんのお見舞いを終えて、アメリカへ戻る飛行機の中でも明るく満面の笑顔で、乗員やほかの乗客とも活発にしゃべっていたという。
メーガン妃と子どものもとに帰るのが、やはりうれしいのだろう。

NFLのセレモニーでも「アメリカ人が、イギリスからラグビーを盗んでアメフトを作った」などと冗談を飛ばしていた。
ヘンリー王子の公務復帰を期待する声も一部あるが、なかなか戻ることは難しいのかもしれない。
(「イット!」 2月14日放送より)

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