地震発生からまもなく1カ月。倒壊した住宅の周辺で、1月30日も必死の捜索活動が行われた。
その現場に足を運ぶ1人の男性の姿があった。弟が安否不明の垣地弘明さん(58)だ。

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弟が安否不明の垣地弘明さん(58):
1月1日のあの地震から(時間が)止まった感じだと思う。

元日のあの出来事から、時が止まったまま。
垣地さんは、2歳違いの弟・英次さん(56)を探しに雪の日も毎日、この捜索現場を訪れている。弟の英次さんが住んでいた石川・輪島市 市ノ瀬町では、大規模な土砂崩れが起きていた。

土砂崩れが起きたあと、付近では水の流れが土砂でせき止められる“土砂ダム”も発生した。雪解け水による土砂ダムの氾濫や新たな土砂災害の危険から、捜索は今も慎重に行われている。

弟が安否不明の垣地弘明さん(58):
みなさんが絶対捜すと。先ほども、今日こそ絶対という言葉をいただいて、本当に感謝しています。

「本当に1秒でも早く顔を出してくれ…」弟の捜索続く

まだ見つからぬ弟の姿。一方で見つかったものもある。

土砂の中に埋まっていたアルバムだ。そこには、弟・英次さんと一緒に暮らしていた母・紀子さんが大切に保管していたという、幼いころの兄弟の写真が残されていた。

兄弟の思い出について聞くと、垣地さんは「いつも手をつないで、学校に行くのも手をつないでとか」と懐かしんだ。だが、大人になってからの写真は手元にないのだという。今は、この写真が心の支えになっている。

母の紀子さんは、2023年11月に亡くなっている。地震があった元日は、四十九日を兼ねて、1人で実家を守ることになった弟・英次さんのもとを金沢市から兄の弘明さんが訪れるはずだった。

弟が安否不明の垣地弘明さん(58):
優しくて母親思いで、本当に1秒でも早く顔を出してくれということだけですね。

英次さんを含めた19人が、1カ月が経とうとする今も安否不明のままだ。

元プロ野球選手・松井秀喜さんがエール

こうした中、ニューヨーク・ヤンキースなどで活躍した石川県出身の元プロ野球選手・松井秀喜さんが30日、被災地に向けメッセージを寄せた。

松井さんは「私の現役時代には、私が石川県出身ということもあり、多くの県民の皆さまに応援して頂きました。今度は私が、被災された方々が力強く立ち上がり、前を向かれていく姿を応援しなくてはいけない時だと感じています」としている。
(「イット!」1月30日放送より)

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