日本列島各地で猛威を振るっている今シーズン最強の寒波。1月24日、愛知・名古屋駅前では雪がビル群を白く霞ませ、隣接する岐阜県ではホワイトアウト状態となった。

“ドカ雪”で5km以上の大規模立ち往生

岐阜・関ケ原町の午前11時時点の積雪は36センチ。雪が膝下まで迫ってきていた。

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まさに“ドカ雪”に見舞われた関ヶ原町。午後2時ごろ、名神高速道路の関ヶ原インター付近では、車が深く雪に埋まり、約5キロ以上にわたって立ち往生していた。

取材班は午後4時ごろ、立ち往生中の車の運転手に話を聞くことができた。

立ち往生中の運転手(午後4時時点):
NEXCO中日本がカロリーメイトと携帯トイレ2つ、カイロ、水を配布していた。(NEXCO中日本が)とりあえず急いでいると言っていたが、確実な今日中というのは言わなかった。

滋賀・米原市では午後1時までの6時間で、観測史上最大値となる40センチの降雪を記録した。災害級の大雪だ。

滋賀県では「顕著な大雪に関する気象情報」が24日に2回発表。深刻な交通障害が発生する恐れがあると呼びかけられ、同様に福井県内でも「顕著な大雪に関する気象情報」が発表された。

死亡事故も発生 路面凍結に注意

この雪により、列島各地で事故が多発。

福岡・北九州市で未明、スリップした大型トレーラーが対向車線にいた歩行者の男性をはね、歩行者の男性はその場で死亡が確認された。

トラックが現道のガードレールを突き破り、道路脇の斜面に横転
トラックが現道のガードレールを突き破り、道路脇の斜面に横転

また佐賀・鳥栖市でも、トラックが現道のガードレールを突き破り、道路脇の斜面に横転。

衝突事故を起こしたとみられる車
衝突事故を起こしたとみられる車

そのすぐそばでは、衝突事故を起こしたとみられる車が、フロント部分が壊れた状態で凍った路面を恐る恐る走行していた。この周辺で35件もの事故が発生したということだ。

新潟・湯沢町の関越自動車道でも、乗用車とトラック、高速バスなど3台が絡む事故が発生し、15人が救急搬送された。

過酷な雪でも新聞配達、被災地で不安の声

大雪の状況でも休むことができないのが、毎朝、新聞配達を行うスタッフだ。

取材班は豪雪地帯として知られる新潟・湯沢町で、24日早朝に新聞配達を行う男性を取材した。

午前3時過ぎ、誰も歩いておらず雪が降り積もったままの“道なき道”。新聞配達歴10年以上だという白井清史さんは、その場所を漕ぐようにして歩き、各家庭に新聞を届けていく。

取材班:
すごい道ですね。

新聞配達員 白井清史さん:
日常茶飯事なんで、雪が降れば。

どんなに過酷な雪でも休むことはできない。この雪の中、白井さんは約90軒に新聞を無事届けた。

新聞配達員 白井清史さん:
慣れっこだよ、慣れ。体力が第一。

そして、被災地の能登地方では雪のピークは過ぎたものの、今回の雪がさらなる家の倒壊など新たな災害を招かないか、石川・輪島市の住民は「雪で重みが増すと危ない。なんとか積雪なしに復興のスケジュールを組めるといい」と不安をのぞかせていた。

人々の暮らしに大きな影響を与えている今シーズン最強寒波。
25日午前6時までの24時間予想降雪量は、多いところで東北・東海で70センチ、関東甲信・北陸・近畿・中国でも60センチのドカ雪が予想され、引き続き厳重な警戒が必要だ。
(「イット!」1月24日放送より)