10年に一度の“最強寒波”が日本列島に到来。
日本赤十字北海道看護大学教授で、寒冷地防災学に詳しい根本昌宏氏は、「都会の雪は“一種の災害”ととらえ、安全を第一に十分な準備と知識が必要」だといいます。

「めざまし8」では、最強寒波で気をつけなければいけない、「徒歩」「自動車」での外出時の備え方を解説します。

徒歩で出かける際の備え

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氷点下となった路面では凍結して滑りやすくなることが想定されます。そこで転倒を防ぐ歩き方、「ペンギン歩き」と呼ばれる歩き方があります。

ポイントは以下の通りです。

① 歩幅を小さく ②重心を前に ③足の裏全体で歩く

転倒を想定した「服装」も重要です。

① 帽子をかぶり ② 手袋をつけ ③ カバンはリュックサック

転倒したときに両手が使え、帽子やリュックサックはクッションとなり守ってくれます。

では、滑りやすい場所はどんな場所なのでしょうか?
ウィンターライフ推進協議会によると、横断歩道、車の出入り口、バス・タクシーの乗降場所、店舗や地下鉄の出入り口、橋の上の歩道など、人や車の通りが多く「踏み固められる場所」が危険だといいます。

自動車で出かける際の備え

24日には、滋賀県内の国道でノーマルタイヤの車が数台走行できず、立ち往生する事態が発生しました。

雪道はスタッドレスタイヤなど冬用のタイヤを装着することが基本ですが、「スタッドレスタイヤなら大丈夫」というわけではありません。
スタッドレスタイヤは、溝の深さが半分以下になると氷雪路の走行性能が落ちる可能性があるため、車に乗る前に“摩耗”具合をチェックする必要があります。

そんなとき、100円玉を使えば簡単に溝の深さを確認することができます。
100円玉の、縁と100円という文字の「1」までの長さは約5mm。これを利用して、100円玉を数字の「1」の方向からタイヤの溝に差し込み、この時「1」が溝に隠れず見える場合は、買い換え時のサインです。
(※ただし、メーカーによって溝の深さが違う場合もあるのであくまでもこの方法は目安です)

さらに、「路面の凍結」にも気をつける必要があります。
中でも、凍結しているように見えない「ブラックアイスバーン」という現象に注意が必要です。

この現象は、「ぬれているだけの路面」と見た目的に区別をすることが難しいため、「黒い道路だから凍ってない」と思い込まないことが重要です。

また、吹雪などで立ち往生するなどのアクシデントに対応するために、水・非常食、スノーブラシ、解凍スプレー、防寒具、軍手・長靴、ブースターケーブル、懐中電灯、除雪のためのスコップ、などを車に積んでおくと安心です。

立ち往生してしまった場合は、道路緊急ダイヤル(#9910)JAF(#8139)に救助を求めてください。
そのとき、できるだけエンジンを切って救助を待った方が得策ですが、寒さ対策でエンジンをかける場合は、一酸化炭素中毒を防ぐため車のマフラー周辺を定期的に除雪してください。除雪をしなかった場合、ボンネットまで雪に覆われると、わずか1分で排ガスが車内に充満し非常に危険です。

日本赤十字北海道看護大学 根本昌宏 教授:
マフラー周辺は「手」で雪をかくことは不可能ですので、必ずスコップなどを持っておいてほしいです。そのような装備の部分と、あとは非常時の“準備”をして出かけていただきたい。例えば、ガソリンは満タンにして出発、携帯トイレや食べ物・飲み物、毛布、寝袋などを車に積んでおくのも非常に有効だと思います。

(めざまし8「わかるまで解説」より1月25日放送)