秋田県民なら誰でも知っているお菓子「金萬」。ほんのりと上品な甘さが特長の、一口サイズのカステラまんじゅうだ。
県内で昔から流れるCMの「28個、食べました」が名ぜりふとなっている秋田銘菓が、2023年、販売開始から70年を迎えた。

販売開始から70年…記念パッケージが登場

秋田銘菓の「金萬」
秋田銘菓の「金萬」
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直径5cmほどの食べやすい大きさで、風味豊かなまんじゅう。上質なたまご入りの白あんを、蜂蜜とたまごをぜいたくに使ったカステラ生地で包み、ふっくら丁寧に焼き上げている。それが、秋田県民が昔から慣れ親しむ味「金萬」だ。

金座街
金座街

「金萬」が誕生したのは、1953(昭和28)年。秋田市のJR秋田駅前にかつてあった商店街「金座街」で食堂を営んでいた創始者(現社長の先々代)が東京に行った際、都まんじゅうに刺激を受け、自身の店先で売り出したのが始まりだ。「金座街」で売っている「まんじゅう」からその名が付けられたという。

金萬70周年記念パッケージ
金萬70周年記念パッケージ

販売開始から70年。12月15日から、記念の期間限定パッケージが登場した。デザインされたのは、秋田県の鳥「ヤマドリ」と、県の花「フキノトウ」だ。

秋田県の鳥「ヤマドリ」
秋田県の鳥「ヤマドリ」

「ヤマドリ」は、秋田の誇りを胸に未来にはばたく飛翔(ひしょう)の象徴として、「フキノトウ」は、春の訪れとともに新しい息吹をもたらし、これからも進化し続ける未来をイメージした。

秋田県の花「フキノトウ」
秋田県の花「フキノトウ」

金萬の大内雅弘専務取締役は、今回のパッケージについて「70年やってこられたのもお客さまとお取引さまのご愛顧、お引き立てのたまもの。感謝の意を込めた」と話す。

記念パッケージの商品は、秋田市内の直営店3店舗と、秋田空港の売店で取り扱っている。

人気キャラクター“ハローキティ”とコラボ

70年の歴史がある銘菓は、「変わらぬ味」が人気の一つだが、新たな試みにも挑戦してきた。

キティちゃん金萬
キティちゃん金萬

2016年には世界的な人気キャラクターとコラボ。“ハローキティ”の焼き印が押された金萬が登場し、話題を呼んだ。

新型コロナウイルスの影響で商品を個包装に
新型コロナウイルスの影響で商品を個包装に

2021年には新型コロナウイルスの感染拡大を受け、商品の“個包装”を始めた。金萬は通常、10~30個をそのまま箱に詰めて販売しているが、感染防止対策として個別包装にすることで、より手に取りやすくなったと歓迎された。

店員は「お土産としてのイメージが強いので、金萬を知らない秋田県外の人にも知ってもらいたい。お土産として県外の人にも紹介してもらえればうれしい。そして、旅行や出張で秋田を訪れた時に、必ず買ってもらえるお菓子になったらいい」と話す。

“金萬一筋70年”。「変わらぬ味に真心込めて」がキャッチフレーズの「金萬」は、いつまでも、誰にでも愛される秋田銘菓として店頭に並び続ける。

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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