国の文化審議会は2023年11月24日、熊本市にある「吉田松花堂」を国の重要文化財に指定するよう文部科学大臣に答申した。早ければ年明けにも正式に指定される予定だ。

「質が高い近代和風建築群」と評価

「吉田松花堂」は1830年代から続く伝統薬「諸毒消丸」を製造・販売する商家で、現在も店舗や吉田家の住居として利用される。指定を受ける敷地約2,120平方メートルの中にある主屋や茶室など建物と土地が、報道陣に一部公開された。

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店舗や製薬場である「主屋」は、明治11年・1878年建築の木造一部2階建てで、隣接する土蔵を含めて“近代の商家”の構えを残している。

東側にある広間「十五畳」は貴人の宿泊にも使用され、希少木材がぜいたくに使われた上質な空間だ。茶室には、クジラに似た哺乳類イッカクの角を用いた「違棚」があるなど、家業にちなんだ独特なしつらえとなっている。

ほかにも「書院」や「大玄関」なども並び、「質が高い近代和風建築群」として評価された。

「城下町の変遷を示す重要な建物」

吉田松花堂8代目・吉田とし(漢字は禾の下に千)代さん:
一言でいえば感謝でいっぱい。このうちを“預かりもの”と思って生きてきた。これからは皆さんに愛される存在にもっていけたらと思う

熊本市 文化財課 文化財保護主任 主事・松永直輝さん
熊本市 文化財課 文化財保護主任 主事・松永直輝さん

熊本市 文化財課 文化財保護主任 主事・松永直輝さん:
熊本市としても、これまでなかった町家(商人や職人の住居)の指定では初めて。城下町の変遷を示す重要な建物なので、長くこの建物を残していけるように協力してやっていきたい

(テレビ熊本)

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