食べた人が救急搬送されるなど問題となっている「大麻グミ」。取材を進めると福岡でも広がっている実態が明らかとなった。

「一番はリラックス。気持ちいい」

福岡市天神の警固公園。若者のたまり場となっている。公園にいる人たちに大麻グミについて聞いた。

1人目(11月19日取材):
(大麻グミを見たことは)ありますね。地元とかで、知り合いとかが持っていた

2人目(11月19日取材):
僕の友だちの知り合いというか、仲間が、クッキーとかグミとかは持っているというのは知っているし、周りでははやっている

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福岡の若者たちの間でも広まっているという大麻グミ。大麻に含まれ、幻覚作用を及ぼすとされるTHCに似た成分、HHCHが含まれ、東京や大阪で大麻グミを食べた人が相次いで体調不良を訴え問題になっている。

実際に大麻グミを使用したことがあるという男性がインタビューに答えた。

大麻グミを使用したことがある男性:
お酒を飲みすぎたときの酩酊(めいてい)感をイメージしてもらったら、分かりやすいかなと思うんですけど。耐性がない人がいきなりグミを食べちゃうとグルングルンになると思います

そう話す男性が見せてくれたのは、大麻グミと同じ成分、HHCHが入った「リキッド」。吸引して使用するという。

大麻グミを使用したことがある男性:
(リキッドを吸うと)一番はリラックス。僕の場合は睡眠とかもよくなって、ご飯がおいしくなるとか、言い出したらキリがないですけど、単純に「気持ちいいから」というのもある。(購入可能な)店舗はどこにでも、全国にあると思いますね。あとはインターネットだったりツイッターだったりとか、入手方法はいくらでもある

販売店では…入荷後1週間で売り切れ

実際にSNSで検索してみると、大麻グミの販売が確認できた。

X(旧Twitter)には「話題のグミ」とうたって大麻グミを販売しているアカウントがあった。在庫が少なくなっているのか、「△」のマークが表示されている。

取材を試みようとメッセージを送ってみたが―。

返答メッセージ:
「丁重にお断りさせていただきます」

取材を進めると大麻グミを店頭で販売しているという店を発見した。

福岡市早良区の西新中央商店街にある販売店。2023年9月にオープンしたという。店内をのぞいてみると大麻グミに含まれる成分HHCHの文字が見えた。

さらに、この店のSNSには、問題の大麻グミに加え、同じ成分を含んだクッキーも販売していることが掲載されている。実際に店で話を聞くと大麻グミは売り切れていた。しかし同じ成分を含んだクッキーは現在も販売されていた。

店員の女性が「カメラなし」という条件で取材に応じた。

大麻グミを販売していた店の女性店員:
10月にHHCHのグミを入荷して、SNSに情報を上げたら、反響がすごく、1週間程度で売り切れました。生産が追いついていないということで、現時点では入荷の予定はありません

さらに大麻グミが問題になっていることについて尋ねた。

大麻グミを販売していた店の女性店員:
こちらとしても「売れればそれでいい」とは思っていません。何でもかんでも規制するとイタチごっこになり、より強い成分ものが出てきてしまいます

食べすぎると“オーバードーズ”に

そもそも大麻グミを使用することにどれだけの危険性があるのか。

福岡大学薬学部・三島健一学部長:
幻覚が出てきたり、学習記憶障害が出てきたり、そういった作用が出てくると思う。口から接種する場合は、どうしても、食べすぎたりするとオーバードーズになるというかたちになると思う。大麻関係は安全ではない。安全ではないというところで認識していただきたい

(テレビ西日本)

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