年々減っていく水揚げ量に、このまま漁師を続けられるのか疑問を感じていた漁師・富永邦彦さん。
「漁師の世界は過酷で大変で、働き方を変えていかないといけないと思いました。
同時に、年々魚の水揚げ量が減っていることも肌で感じていたので、働き方を変えながら資源を守っていくやり方に切り替えました」
注文を受けてから漁に出る「受注漁」
富永さんは、実家が漁業を営んでいた妻・美保さんとの結婚を機に漁師になった。
さらに、漁獲量はピーク時の3分の1以下なのに、“取れるだけ取る”という漁のやり方に疑問を感じていた。
そこで始めたのが、注文を受けてから漁に出る「受注漁」。
顧客はネットやSNSから直接注文ができ、「おまかせ鮮魚セット」や季節ごとに魚を指定できるなど、まさに専属漁師なのだ。
注文以上に釣れた時は、元気の良い魚を海に返す。
魚は自分たちで梱包して発送。
仲卸を介さないので収入は以前の2倍に増え、働く時間は半分に減ったという。
利用者は「箱に手書きのメッセージや可愛らしい絵が描いてあり、家族の姿が見えるのが良いです」と話した。
富永さんは「安定供給を求めたことによって『たくさん取れ』となり、魚がいなくなってしまった。
“今取れたものに感謝して食べる”という習慣で良いのではないかと思います。子どもたちに将来、魚を残してあげたい。未来に資源をつなぎたい」と話す。
邦美丸
https://umai.fish/fisherman/kunimimaru
「フューチャーランナーズ～17の未来～」
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