加工が難しいなどの理由から市場であまり売買されない“未利用魚”。

見たことのない魚でも美味しく食べられるようにと、新たなサービスを立ち上げた男性がいる。

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「1トンくらい入る大きな桶の中に魚がたくさん入っていて、『これ、全部行き場を失っているんだよね』と漁師さんから話をされたことがあって、魚の需要自体をもっとつくっていけるような新たなサービスが必要なんじゃないかと思いました」

こう話すのは、株式会社BENNERS(ベンナーズ)の代表取締役の井口剛志さん。

祖父の代から水産業に携わる家で育った井口さんは、魚離れと漁師の減少を食い止めたいと、23歳の時、福岡で魚の加工販売会社を立ち上げた。

日本全国の“未利用魚”をなくす

目を付けたのは未利用魚。

数が捕れなかったり、加工が難しいなどの理由から、市場で売買されにくい魚のことで、総水揚げ量の約3割を占める。

そこで井口さんは未利用魚を使った魚のサブスク「フィシュル」をスタートさせ、ミールキットや加工品を製造し、個人及び法人に向けて配送、販売する事業を開始した。

魚は水揚げしたその日にさばき、料理人のレシピで下味を付けて瞬間冷凍。

解凍したり加熱すれば、すぐに食べることができる「フィシュル」は、月額4200円からの定額制で宅配している。

元漁師の仲買人は、「未利用魚は値段が付きにくいので漁師さんはすごく助かっていると思う」と話した。

魚と一緒に届けるイラスト付きの魚図鑑やSNSで未利用魚のユニークな生態も紹介。

いろいろな魚をおいしく食べてもらい、漁業活性化を目指している。

井口さんは、「魚離れを食い止めていく上で、食べたことのない魚の食べ方であったり、バラエティーを提供していくことが我々の役割のひとつだと思っています。日本全国の未利用魚をなくすようにしていければいいと思っています」と語った。

株式会社BENNERS 
https://www.benners.co.jp

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