世界フィギュアスケート選手権が開幕した。
大会2日目の3月23日(木)は、男子ショートプログラムが行われる。
20日、21日の公式練習に参加した日本代表の宇野昌磨、山本草太、友野一希が、世界選手権への意気込みを語ってくれた。
1年やってきたことをムダにしないように
前回大会で金メダルに輝いた宇野。今回の会場となるさいたまスーパーアリーナは、2019年に出場した際に、悔しい思いをした場所だ。
そんな宇野は、今大会で日本男子史上初の連覇を狙う。

メインリンクでの練習を終えて「NHK杯前に匹敵するほど、今年イチひどい…」とこぼした宇野。
そんな中でも宇野は、公式練習中に観客からの声援を受けたことに「みなさんに期待していただけて、応えたい気持ちもあるので、少しでも応えられるように、頑張っていきたい」と意気込んだ。

――メインリンクでの練習はいかがでしたか。
ジャンプがあまりにもひどくて、とりあえず「ジャンプを跳ばないと」という感じで練習をしているのですが、良くなる気配もなく。何をしても、練習量を増やしたりしても良くならず。でも試合も迫ってきているので、このまま試合に臨むことになれば、気持ちでどうにかするしかない。
それを久々にやらなければいけない試合が来るのかなと思ったりしますが、できる限り調整をして、あとは“頑張れ”という感じです。
焦っても嘆いても試合は近づいてくるので、僕なりにどうするべきかを試行錯誤しながら、一つ一つ臨んでいます。近くで支えてくれている人を焦らせているかもしれませんが、僕は全く焦っていないので、最善は尽くしたい。
――世界選手権の目標を教えていただけますか。
このままいけば“どうなることやら”と思うばかりです。ただ1年やってきたことを、この1、2週間でムダにしないよう、試合に向かう気持ちは強く持つ。
失敗しても自分がここまでやってきたことに満足できるような、全力をぶつければ、今後の道や今考えていることの答えが出てくるんじゃないかと思うので、しっかり頑張りたい。
宇野、友野についていけるように
世界選手権に初出場となる山本。
ケガを乗り越えてたどり着いた、この舞台への思いを山本はこう語る。

「シニアにあがってから目標にしていた舞台で、すごく時間がかかってしまいましたが、この舞台にこうやって来られたこと、うれしく思います。
本当にこの世界選手権が決まってから、1日1日の練習が、この世界選手権に向けてだけではなく、これからのスケート人生にもつながるような、そんな時間でした。また自分の成長につながる、そんな試合にできたらと思います」

――メインリンクでの練習はいかがでしたか?
無事にこの世界選手権の舞台に来ることができて、とてもうれしく思っています。氷の感触を感じながら、しっかり練習できたと思います。
――初めての世界選手権、いかがですか?
(宇野)昌磨くんだったり、(友野)一希だったり、世界選手権の経験がある2人だと思うので、その2人についていけるように、僕も思いきって行けたら。
――山田満知子先生も来ていますが、会話はされましたか?
先生が来れない試合もしっかりやってきましたが、やっぱりいる試合といない試合は、どこか気持ちの持ちようが違います。「先生がいるから頑張りたい」ってさらに思えるので、先生に喜んでもらえるような、そんな試合にできたらと思います。
――大会の目標はありますか?
練習のときからたくさんのお客さんが会場に見に来てくれていると思いますし、テレビを通して演技を見てくれていると思うので、僕のスケートを存分に発揮できたらと思います。
「メダルを獲りに行く」気持ち
“代打の神様”と呼ばれ、2度の世界選手権に出場した経験のある友野。
今シーズンは「脱!代打」と誓い、自らの手で代表の座をつかんだ。

前回大会で6位入賞を果たした友野は、「去年表彰台にのぼれず悔しい思いをしたので、自信を持って演技ができたら」と話した。

――脱代打でつかんだ代表、気持ちはどうですか?
2回も出場しているので「帰ってきたな」という気持ちもあります。個人的には、日本での世界選手権ということで、会場の柱に自分の写真があって、ちょっと感動しました。
――この大会の目標は?
スモールメダルをショート、フリーと2つ獲っているので、あとは大きいメダルを獲るだけだと思っています。自分の中でとても大きな目標になるかもしれないですが、僕としてはそういったポテンシャルがあると信じていますし、それだけの調整をしてきた。
“メダルを獲りに行くぞ”という気持ちです。ただ、演技のときは自分のやってきたこと、悔いのない演技をできたらいいなと思います。
――シーズン終盤の強さや4回転の状態も含めてきっかけはありますか?
1日1日冷静に分析して、毎日一つ一つのジャンプを大切に跳ぶようになったのが良かったのだと思います。今までなんとなく4回転を跳んでいた部分もあったので、どうしたら跳べるかなどを全日本後からつかめました。
“4回転”という気持ちじゃなくて、3回転ぐらいの感覚で今は跳べているので、それが良くなった要因かなと思います。
世界フィギュアスケート選手権
■3月23日(木)午後6時30分~9時54分
男子ショート・ペアフリー
■3月24日(金)午後6時30分~9時52分
女子フリー・リズムダンス
■3月25日(土)午後6時30分~9時30分
(※午後6時30分~7時 関東ローカル)
男子フリー・フリーダンス
■3月26日(日)
深夜0時30分~1時30分※関東地区ほか
エキシビション
■3月28日(火)
深夜3時10分~4時10分※関東地区ほか
ペア&アイスダンス
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html