12月22日(木)から始まる全日本フィギュアスケート選手権。

今年は、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで開催される。

さまざまな思いや目標を抱えて選手たちは、全日本選手権に照準を合わせている。

初めて全日本選手権に出場する島田麻央
初めて全日本選手権に出場する島田麻央
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「シン・フィギュア」時代に突入したフィギュア界に現れた期待の新星・島田麻央(14)。

中学2年生の島田は、11月に行われた全日本ジュニア選手権で優勝。ジュニアの選手として推薦出場で初めてのシニアの大会、全日本選手権への切符を獲得した。

イタリア・トリノで開催された、ジュニアGPファイナルから帰国直後の12月中旬に聞くことができた全日本への思い。時代を塗り替えるかもしれない少女の魅力に迫る。

島田麻央の「まお」は浅田真央の「まお」

去年の全日本は観客席から見ていたという島田。

全日本への意気込みを記す島田
全日本への意気込みを記す島田

今年はその舞台に立てることをどう感じているか聞くと、「憧れていた舞台なので、緊張というよりは楽しみたい」とあどけない笑顔を見せた。

島田がフィギュアスケートを始めたのは5歳のとき
島田がフィギュアスケートを始めたのは5歳のとき

母親に連れられて5歳で始めたフィギュアスケート。そのときに描いた夢は「あさだまおさんみたいに、なりたい」だった。

島田の「麻央(まお)」の名前の由来でもあるのが、母親が大ファンだった浅田真央だ。

憧れの存在に近づくため、島田は朝から晩までスケート場から離れなかったという。

そんな彼女がとりこになったフィギュアスケート。その魅力を「ジャンプで言ったら1回転が跳べたら2回転、2回転が跳べたら3回転、跳べたら次に行ける限界がないところ」だと語る。

12月中旬にインタビューに応じてくれた島田
12月中旬にインタビューに応じてくれた島田

そして「ほぼ毎日同じことをやるんですけど、やることもちょっと違うので、同じことをやっていても自分が好きなことをやっているので飽きない」と話した。

また、自身の性格を「1回やる気が出たら終わりまでやりたい人なんですけど、1回やるまでやる気が湧かないので、興味がないことはちょっとやったらすぐ飽きます」と笑った。

そんな彼女が新たな歴史を刻んだのは、2021年3月だった。

4回転を手にした少女はさらなる大技も習得

島田は、当時12歳で日本女子史上初の4回転トゥループに成功した。

その後も出場した近畿選手権、全日本ノービス選手権、全日本ジュニア選手権と3戦連続で成功させ、優勝を手にしている。

ノービス選手で全日本ジュニア選手権(2021年)を優勝した島田
ノービス選手で全日本ジュニア選手権(2021年)を優勝した島田

当時ノービス選手だった彼女は、飛び級で去年の全日本ジュニア選手権にも出場。ここでも4回転トゥループを成功させた。

ひとつ上のカテゴリーでも力の差を見せつけ、ノービス選手としては史上初の優勝という快挙を成し遂げる。

さらに今年3月、新たな武器を手に入れる。それは大技・トリプルアクセルだ。

この3回転半ジャンプは、憧れの浅田真央の代名詞でもあった。

島田は京都府スケート選手権で大技を成功させる
島田は京都府スケート選手権で大技を成功させる

この大技を初成功させた今年3月の京都府スケート選手権の後、島田は「今回トリプルアクセルを入れて降りられたことは、うれしいです。うれしかったんですけど、感情は外に出さなかったです」とはにかんだ。

今シーズン、ジュニアデビューした島田だが、ジュニアの大会ではショートプログラムにトリプルアクセルを入れることはできない。

しかし、今回出場する全日本はシニアの大会であるため、この大技を組み込むこともできる。

このトリプルアクセルを島田は、初めてショートに入れることも考えていると明かした。

島田は今シーズンも圧倒的な強さを見せる
島田は今シーズンも圧倒的な強さを見せる

今シーズンに入ってもその勢いは止まらず、ジュニアGPシリーズ2戦、さらにGPファイナルでも優勝するなど、圧倒的な強さを見せている。

そして次に戦う大舞台は、初めて出場するシニアの全日本だ。

2つの大技成功を目標に掲げる今シーズン

島田の今シーズンのベストスコアは、ジュニアGPポーランド大会で出した217.68点。これは坂本花織や三原舞依ら先輩たちを抑えて日本人トップ。

しかし本人はそのことをあまり意識していないようで「(自分が出ていた試合はシニアの選手たちと)同じ試合じゃないので。点数の出し方も違ってくると思うので、そこは関係ないかな」と冷静に受け止めていた。

全日本では2本の大技を決めることを目標に掲げる
全日本では2本の大技を決めることを目標に掲げる

その全日本に向けては「うまい選手たちと一緒に滑って、どのくらいの順位になれるのかを知りたいです。フリーは2本、4回転トゥループとトリプルアクセルをそろえることを目標に練習していきたい」と意気込んだ。

目指すのは島田が今シーズン挑み続けていた「4回転トゥループ」と「トリプルアクセル」2本の大技を決めること。

この2つの技を決める難しさを「両方の調子を上げなければいけないというのも難しいですし、アクセルと4回転は10何秒くらいしか間がないので、その間に跳び方がぜんぜん違うジャンプに行くので、その切り替えも難しい」と話した。

それでもこの大技に挑む理由を「アクセルも4回転もどっちも跳ばなければ勝っていけないと思うので。今じゃなくて今後のために2本入れ続けたい」と未来のための挑戦だと語る。

一つの演技で同時に成功させれば、日本女子史上初の快挙になる。

ウォーミングアップをする島田
ウォーミングアップをする島田

そんな彼女の勝負メシは試合の日に食べる「うどん」だとのこと。

「1回うどんを食べた日の試合が良くてそれからずっと食べている」と明かした。

シン・フィギュア時代に現れたニューヒロイン。

14歳の少女が新時代をつくり出す瞬間を目にするのはもうすぐだ。

全日本フィギュアスケート選手権2022
フジテレビ系列で12月22日(木)から4夜連続生中継(一部地域を除く)

https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/japan/

全日本までの道の詳しい概要はフジスケで!
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/figure/toJPN.html

フィギュアスケート取材班
フィギュアスケート取材班