スペイン戦で逆転弾を演出した決定的な瞬間、いわゆる「三笘の1ミリ」を捉えた写真。
めざまし8は、撮影したカメラマンを独自取材。
世界を驚かせたあの写真は、決して偶然に撮れたものではありませんでした。「絶対に逆転する」という信念に基づいて、狙って撮った1枚だったのです。

「あの瞬間を撮ることができてラッキー」世界を驚かせたカメラマン語る

「FIFAワールドカップ2022」の日本対スペイン戦で、三笘薫選手が見せた決勝アシスト。

写真が撮られたのは、そのライン際での折り返しの瞬間でした。
「ワールドカップ日本代表のゴール前の重要な瞬間を捉えた一枚」として12月2日、AP通信が配信。わずかながらボールがラインにかかっている、「三笘の1ミリ」が分かる決定的な1枚は、瞬く間に世界を駆け巡りました。

7日、めざまし8は、世界を驚かせたカメラマンを取材しました。

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「あの瞬間を撮ることができてラッキーでした。上司からはよくやったと。この写真がたくさん使われて喜んでいました」と話すのは、AP通信のカメラマン、ペトル・ダビド・ヨセク氏。

高さ数十m…命綱つけ撮影「怖かった」

ゴールのほぼ真上から撮られた1枚。ヨセク氏が陣取っていた場所は、地上から数十メートルの高さにある、天井近くの「キャットウォーク」と呼ばれる通路でした。「歩いてキャットウォークに行くのは少し怖かった。柵などがなく、ひらけていて、高いところにあるので怖い」と話すヨセク氏。

隙間だらけの柵越しに見下ろすと、はるか下に緑のピッチが広がっています。ヨセク氏は1本の命綱だけを頼りに、カメラを構えていました。
決定的な瞬間を捉えた写真は、足がすくむような高所だからこそ撮ることができたのです。

他にもカメラマンはいたが…日本ゴールを信じる力が生んだ“奇跡の1枚”

ヨセク氏によると、試合当時、キャットウォークの上には他にも3人のカメラマンがいたといいます。一体なぜヨセク氏だけが、奇跡の瞬間を撮影できたのでしょうか。

AP通信カメラマン ペトル・ダビド・ヨセク氏:
日本はすでにドイツ戦で逆転していましたから、もしかしたらスペイン相手に同じことができるのではないかと思っていました。スペイン戦でも、もし日本が逆転をすることができれば、大きなニュースになるだろうし、ゴールを喜ぶ写真は重要になるだろうと考えました。

実は、ドイツ戦もキャットウォークから撮影していたというヨセク氏。スペイン戦でも日本の逆転ゴールを信じて、あえてスペイン側のゴールの真上に陣取り、カメラを構えていたのです。
一方、他の3人のカメラマン達はこの時、スペイン側のゴール前を離れていたといいます。

「これはいい写真です。私は長年この仕事をしていますが、一生に一度のツキが回ってきたような感じです」と話すヨセク氏。

まさに、信じる力が生んだ、奇跡の1枚です。

(めざまし8 12月8日放送)