木造でも「耐火」の認定を取得
――Port Plusはどんな、災害対策をしているの?
まずは火災対策について。Port Plusは主要構造部(柱・梁・床・階段など)に場所に応じて、1時間、2時間、3時間の耐火の認定を取得した認定工法を使用した「耐火建築物」になります。この耐火の認定は木材を炎であぶり、内側の構造に少しでも損傷があればNG。木造も鉄骨も同じレベルの、厳しい試験に合格しなければ認定されません。
具体的にどんな木材を使っているのか。ざっくりとした表現ですが、構造体である木材の上に、燃焼を止める「燃え止まり層」と、燃焼が進むまでの時間を稼ぐ「燃え代層」を設けたものになります。構造体である木材には、汎用品のLVL等を金物で一体化するオメガウッドを採用しています。
※LVL=丸太を薄い板にした後に乾燥させ、繊維方向を平行に揃えて積層し圧着したもの。ねじれや割れや反りが発生しにくく、鉄骨などに比べて軽量
このほか、施設自体にも消防設備として、スプリンクラー、室内消火栓、連結送水管、消火器などが設置されています。総合的には、一般的なビルと同等の耐火性能があります。
――地震や雨風の対策はどうなっている?
地震対策には、免振構造を採用し、通常の大地震では架構(柱と梁による構造)が損傷、塑性化(変形して戻らないこと)しない設計にしています。また、建物には柱と梁を一体化した3層構成の「剛接合仕口ユニット」を採用して剛性・耐力・じん性を確保しました。ユニットの真ん中の層にある超厚物合板(木材を重ねた板)により、大地震時の大きな変形でも一定以上の強度を保つようにしています。
雨対策としては、降雨時の屋根やバルコニーに、地域の過去最大の降雨量以上の排水能力を持たせているほか、建物1階の外周には集中豪雨を想定した排水ポンプも設けています。建物表面にも防水の保護層を持たせています。風にも一般の建物と同じくらいの強度を持たせています。
