2022年7月16日、金沢市に、新しい石川県立図書館がオープンした。初日から3日間で1万7000人が訪れるなど、早速話題となっている。

外観も本を意識した意匠…中は星空のような青い天井が

新石川県立図書館前からリポートする向山アナウンサー
新石川県立図書館前からリポートする向山アナウンサー
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向山侑希アナウンサー:
新しい県立図書館の外観は、本のページをめくる様子をイメージしたデザインとなっています。とても特徴的な外観ですが、中にもこだわりが詰まっているそうです

本をめくる様子をイメージした外観
本をめくる様子をイメージした外観

向山侑希アナウンサー:
その魅力を取材してきます!

いざ、真新しい図書館の中へ…!
いざ、真新しい図書館の中へ…!

向山侑希アナウンサー:
すごい、開放的!本棚に一面囲まれていて、ここから見るだけで、いろんな本があるのが分かります。手に取ってみたくなる…ワクワクします!

まるで円形劇場のような開放的な空間。更に、印象的なのが、星空のように輝く青い天井だ。

新図書館の愛称は「百万石ビブリオバウム」。ビブリオはイタリア語で「図書」、「バウム」はドイツ語で「年輪」の意味だ。確かに年輪のように、幾重にも本棚が並んでいる。

初めて訪れると、その姿に圧倒される。石川県立図書館の職員・本庄俊毅(ほんじょう・としき)さんが、コンセプトや特徴を解説してくれた。

見た目だけじゃない!コンセプトや分類も斬新

案内してくれた県立図書館の本庄さん
案内してくれた県立図書館の本庄さん

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
思いがけない本と出会う。そんな演出を狙って、円形の大閲覧空間になっています

図書館のコンセプトは「本との出会いの場」。そのため、様々な工夫が凝らされているという。

例えば、「本との出会いの窓」コーナーは…

「本との出会いの窓」のコーナー
「本との出会いの窓」のコーナー

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
「本との出会いの窓」は、ウインドーショッピングするように巡っていただくと、思いがけない本と出会えると思います

窓の中に本が⁉
窓の中に本が⁉

向山侑希アナウンサー:
ただ本が置いてあるだけじゃなくて、それに関連する小物も置いてあるんですね

キャンプの関連本が、テントに見立てた小窓の中に
キャンプの関連本が、テントに見立てた小窓の中に

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
視覚的にも本のテーマがどんなものなのか、伝わりやすくしています

新しくなった石川県立図書館は、本の分類方法もひと味違う。

向山侑希アナウンサー:
本棚の上に「仕事を考える」とありますが、これはなんですか?

本棚の上に「仕事を考える」?
本棚の上に「仕事を考える」?

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
この図書館は、県民の関心が高い12のテーマ別で本が並んでいます。

一般的な図書館は「文学」や「歴史」など種類別に本を並べる。しかし、新石川県立図書館は「暮らしを広げる」「文学にふれる」「仕事を考える」「自分を表現する」など、県民の関心度が高い12のテーマで本を並べているのだ。

例えば、「世界に飛び出す」では…

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
「世界に飛び出す」の本棚は、旅行だったり、料理だったり、歴史に関する本が並んでいて、いろんな面からその地域について、知ることができます。思いがけない出会いがあるのではないかと思います

コンセプトも分類の仕方もどれもが規格外の図書館だが、このアイデアはどこから生まれたのだろうか?

前知事“全国トップクラスの図書館に”…建築家・仙田氏の「集大成」

旧石川県立図書館は、金沢市の中心部に、1966年に建設された。その旧図書館が耐震基準を満たしていないことが判明し、2019年に総事業費約150億円をかけて、建て替えることが決まった。

その際、谷本前知事はこう注文していた。

「全国トップクラスの図書館に」と、注文する前知事
「全国トップクラスの図書館に」と、注文する前知事

谷本 前知事:
全国のトップクラスを行くような、そういった内容の図書館にしていかないといかんでしょ

前知事の「全国から注目される図書館にしてほしい」という難題を託されたのが、建築家の仙田満(せんだ・みつる)さんだ。仙田さんは「日本一美しい」と言われる、秋田県の国際教養大学の図書館や…

秋田県の国際教養大学の図書館
秋田県の国際教養大学の図書館

富山県の富岩(ふがん)運河環水公園などを手がけた、日本を代表する建築家だ。

富山県の富岩運河環水公園
富山県の富岩運河環水公園

建築家・仙田満さん:
新石川県立図書館は、私が作ってきた図書館や公共施設の集大成みたいなところがあります。完成を見て、私も感動しています

新・石川県立図書館は「集大成」と語る仙田さん
新・石川県立図書館は「集大成」と語る仙田さん

2022年7月16日、晴れてオープンした新・石川県立図書館。来館者は…

来館者:
見たことがないようなきれいな図書館で、また、来たいなって思いました

新潟県から来た人は…
新潟県から来た人は…

新潟から訪れた人:
海外の大きな図書館に似ているなと思いました。うらやましいです

ふらりと遊びに来られる「公園のような図書館」に…込められた思い

初日からにぎわう図書館だが、仙田さんは設計する時にある「思い」を込めたという。

目指したのは「公園のような図書館」
目指したのは「公園のような図書館」

建築家・仙田満さん:
公園のような図書館にしたかったんです

「公園のような図書館」…。それを象徴する一つが、イスだ。

向山侑希アナウンサー:
かわいい!こんなカラフルなイスもあるんですね

向山アナウンサーが見つけたのは、カラフルで小さな円形のクッションがいくつも連なった、個性的な形のイス。

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
個性的なイスを100種類以上用意しています

確かに、至るところに、図書館とは思えない個性的なイスが置いてある。

この図書館には100種類、500席のイスがあるという。図書館のイスのデザインや監修は、デザイナーの川上元美(かわかみ・もとみ)さんが担当した。

デザイナー・川上元美さん:
何度も来たくなる図書館を目指しました。座り心地や景色を楽しんで、自分の居場所をみつけて欲しい

川上さんの狙い通り、早速、自宅にいるかのようにくつろいだ雰囲気で、本に没頭する人の姿も見られた。

更にこの図書館の面白いところは、最低限のマナーを守ればおしゃべりを禁止していないことだ。

もちろん、静かに読書や勉強に集中したい人もいるだろう。そんな人たちには、予約制のサイレントルームも用意している。自習したい学生や受験生などにはもってこいだ。

予約制のサイレントルーム
予約制のサイレントルーム

向山侑希アナウンサー:
その日の気分、その日の本に合わせて席を決められますね

石川県立図書館・本庄俊毅さん:
本だけでなく、お気に入りの場所も見つけていただきたいですね

図書館を居心地のよい空間に…。それが建築家の仙田さんの狙いでもあった。

建築家・仙田満さん:
何か目的を持ってくるのではなくて、ふらりと遊びにくる感覚できてほしい。その中で、新しい「知」に触れたり、様々な出会いが生まれたりすることを期待したい

仙田さんが思う「公園のような図書館」

嬉しい時はもちろん、悲しい時にも足を運んで、心を整理できる。新たな石川県立図書館は、そんな魅力が詰まった図書館になっていた。

(石川テレビ)