CGキャラクターが本人になり代わり、インターネット動画を配信するバーチャル・ユーチューバー、通称「Vチューバー」が増えている。

登録者数が300万人を超える人気コンテンツも出てくる中、福井県内でもVチューバーたちを育成する“プロダクション”が誕生。ベールに包まれるプロダクションに初めてテレビカメラが潜入した。

福井在住のVチューバー 目指した理由は

Vチューバー・巫薙りんかさん:
みんな、みなぎってる? 巫薙りんかですーよっ!! 配信の準備をしてる途中で巫薙、寝ちゃって…やべーやべーと思って。お風呂入ったんだけど…お風呂でも巫薙寝ちゃって(笑)

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愛らしい“アニメ声”でトークを繰り広げるのは、福井県内在住のVチューバー・巫薙りんかさん。身長152cm、学校ではオカルト研究部に所属している少女…という設定のバーチャルキャラクターだ。2022年4月から本格的に配信を始めた。

福井県内在住、学校ではオカルト研究部に所属
福井県内在住、学校ではオカルト研究部に所属

視聴者のコメントに応える「雑談」や、ゲーム配信などの動画をYouTubeにアップしている。この日、取材したのは43歳の男性記者。初めてVチューバ―としゃべってみた。

福井テレビ・青木伸介記者:
なぜVチューバーになろうと思ったのでしょうか?

Vチューバー・巫薙りんかさん:
Vチューバーさんがすごく好きで、憧れたからなろうと思いました

Vチューバー・巫薙りんかさん:
たくさんのVチューバーさんを見て、自分も楽しい企画とか、みんなとおしゃべりしたいなぁって思うようになったのがきっかけですね

福井テレビ・青木伸介記者:
Vチューバーの魅力とは?

Vチューバー・巫薙りんかさん:
福井県以外でも、全国のたくさんの人たちとお話ができることじゃないかな

5人の女性Vチューバーが所属 リスクなく夢に挑戦

巫薙さんのようなVチューバーは、国内に1万6000人以上いるとされる。このVチューバーの将来性に目を付けたのが、福井県坂井市のITベンチャー「glow」だ。

福井県内初のVチューバ―プロダクションを設立
福井県内初のVチューバ―プロダクションを設立

現実世界のような交流を仮想空間で楽しむ未来を見据え、4月から県内外のVチューバーを発掘・育成するプロダクションを立ち上げた。Vチューバ―のプロダクションは全国に100程度あるが、県内では初という。

ITベンチャーglow・嘉門大助社長:
福井県にもクリエイターがたくさんいると聞いて、この人たちと一緒にYouTubeというプラットホームを使って全世界に配信できると考えた。Vチューバーというコンテンツで福井県を盛り上げていくという思いを込めて、この事業を立ち上げた

人気Vチューバ―になると、登録者は300万人以上。年収は数千万円を超えるともいわれている。

glowには現在、5人の女性Vチューバーが所属している。5人は仮想空間の学校に在籍しているという設定で、今後“売れるタレント”を目指してまずは3年間活動していく。

仮想空間の学校に在籍しているという設定
仮想空間の学校に在籍しているという設定

ITベンチャーglow・嘉門大助社長:
Vチューバーは顔を隠すことができる。(顔出しの)リスクをなくしながら、自分の好きなことや夢への挑戦ができるのが魅力

課題は収益化…地元企業とのコラボも?

この会社ではCGキャラクターの製作、配信への技術的な補助、配信内容の企画立案など、配信に必要なほぼ全ての分野をサポートする。手がけるのは全員、県内のクリエイターだ。

手がけるクリエイターも福井県出身
手がけるクリエイターも福井県出身

ITベンチャーglow・嘉門大助社長:
絵を完成させる「立ち絵」、実際に絵を動かすモデリング、そして中に入っているタレント。この3者全員が福井県出身ということで、より福井を世界に発信できる

Vチューバーの育成を続けるためには、収益化が最重要課題となる。YouTubeでは、チャンネル登録者数が1000人以上で、かつ合計再生時間が4000時間以上に達しないと広告収入が得られない。

しかし、現在所属するVチューバ―5人の登録者数は、多くて250人。収益化にはまだまだ及ばない。

ITベンチャーglow・嘉門大助社長:
少しずつだけど、毎日の配信を通じて皆さんの応援をいただきながら、チャンネル登録を積み上げていく。地元企業とコラボしたり、YouTube内で広告を打ち出すなど、地道な工夫を続けていきたい

現実世界とは異なる魅力を発信するVチューバ―たち。なりたい自分を表現する“もう一人の分身”として、人気タレントへの道を模索している。

(福井テレビ)

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