2022年4月10日、アメリカ軍基地由来とみられるPFAS・有機フッ素化合物による水汚染から命を守ってほしいと、市民が声を上げた。
声を上げることでしか現状は変えられない…参加者の切迫した思いとは。

次々と明らかに…永遠の化学物質「PFAS」の汚染実態

アメリカ軍が使用してきた泡消火剤に含まれる、PFAS・有機フッ素化合物。
自然界ではほとんど分解されないことから、「永遠の化学物質」とも呼ばれている。また、県内各地でも次々と汚染の実態が明らかになっている。

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沖縄テレビ OTV NEWSより:(2016年)
北谷浄水場の水から、有機フッ素化合物が検出されました

沖縄テレビ OTV NEWSより:(2021年8月)
アメリカ軍は、下水道の放出を開始したと発表しました

京都大学 小泉昭夫名誉教授:(2021年10月 沖縄テレビ OTV NEWSより)
妊婦は飲まないようにするということが必要だと思います

「声を上げることでしか変えられない」自らの命守るために

水汚染から命を守ってほしいと市民団体が2022年4月に開いた県民集会には、県内各地から442人が参加した。会場には、汚染が明らかになっている地域住民の切実な声が響いた。

うるま市 宮城英和さん:
(米軍基地内の)貯水タンクには8万ngの殺人的なPFASが残っていることが報道され、基地のある所は、PFASの汚染はあると確信しました

北谷町 仲宗根由美さん:
子ども達が、人体に有害とされる物質を飲んでいることを思うと、行動せずにはいられませんでした

美百合ちゃん:
安全な水を飲みたいです

集会では、この問題の調査・報道を続けるジャーナリストのジョン・ミッチェルさんが、アメリカでは国家的危機と捉え、バイデン政権は2021年11月に汚染除去などの対策に100億ドル、日本円にして約1兆1400億円を計上し、浄化に向け取り組んでいる事を報告。

ジャーナリストのジョン・ミッチェルさん:
私が最もショックを受けたのは、日米間で問題の扱われ方にギャップがある事。沖縄、日本でどれだけ酷い状態で問題が扱われているかを見てきました

さらに、沖縄の人々は長期間 汚染にさらされてきた恐れがあると指摘した上で、こう語った。

ジャーナリストのジョン・ミッチェルさん:
PFASは健康上の様々な側面に影響をもたらすため、血液検査は必要不可欠です

この日、嘉手納基地のすぐ近くで育った歌手の古謝美佐子さんも集会の趣旨に賛同し、想いのこもった歌とメッセージを届けた。

古謝美佐子さん:
水道は目に見えないけど、透き通っている。ここにPFASの数字があったら飲まないはずだ。一番大切なのは水なんだよっていうのを、みんなで伝えていきたい

命にかかわる問題…日米両政府へ対応求める決議採択

2人の子どもを育てる母親:
小さい時にミルクをあげていた時に、そういうのがわかって。理不尽だなって

名護市在住 男性:
体内に残るかもしれないフォーエバーケミカルと言われていて、しかも発がん性を含むと言われているので、とても危険だなと

宜野湾市在住 女性:
もう憤っています。命に関わる問題ですからね

八重瀬町在住:
もっとちゃんと調査もしてほしいし、調査した結果をちゃんと知らせてほしい

八重瀬町在住:
子どもたちが巻き添えくらって病気になるのは、たまったもんじゃない

宜野湾市在住 千恵美さん:
(米国と)あそこまで対応が違うんだなっていうのは、すごい衝撃でした。私たちがどれだけないがしろにされているのかっていうのを強く感じました

町田直美さん:
これから私たちがやることは血液検査。次の子どもたち、親になる人にこんな思いさせたくないです

集会では、こうした不安を払拭するために、水質調査に加えて土壌調査・住民の血液検査を日米両政府、県に求める決議が採択された。

(沖縄テレビ)

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