スピードスケート短距離の女王・小平奈緒(35)が12日、今年10月のレースを最後に現役を引退すると発表した。それに先立ち平昌五輪で2つの金メダル、北京五輪女子団体パシュートで銀メダルを獲得したスピードスケート髙木菜那(29)が5日、引退会見を行った。同じ日には北京五輪で金メダル1つ、銀メダル3つを獲得した妹の美帆(27)も今後の活動について会見。姉妹が同じ日にそれぞれの決断を語った。

引退と休養 姉妹それぞれの決断

別々の会見場に姿を現した妹の髙木美帆と姉の髙木菜那、姉妹それぞれの決断は異なるものだった。

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北京五輪でやり切ったという妹の美帆は、無期限の休養を宣言するも現役続行へ意欲を見せた。

「スケートに対してだったりとか自分で期限を決めたりしないで考えようと思いました」

一方、今季を集大成と位置付け臨んでいた姉の菜那は引退を表明した。

「現役を終えることを決意しました。髙木美帆の姉ではなく自分の意思で髙木菜那として氷の上に立ち戦えたことが引退を決意した理由です」

妹の「休養」宣言に対して姉は「引退」表明。その決断の裏には姉妹の物語があった。

「葛藤があったのは高校時代」

引退会見で話が妹・美帆の話題に及ぶと、姉・菜那は妹と比較されることに悩んだ時期もあったことを明かした。

「自分の中で葛藤があったのは高校時代だったのかなと思っています。髙木美帆の姉ではなく、髙木菜那という一人の選手として、自分自身がそれを受け入れるのが今までできなかったなと思っていて…」

「正直、転べばいいのに…」

妹の美帆はスーパー中学生として、姉の菜那より先に2010年バンクーバー五輪に15歳で出場した。2017年に取材した際にはカメラの前でもたびたび姉としての葛藤を口にしていた。

正直、転べばいいのになとか、落ちればいいのになって思っていました。ずっと妹に負けたままだから。後悔するから一回は勝ちたいと思います」

そんな彼女が自分を認めるに至ったきっかけがあった。2位で代表入りを決めた北京五輪選考会だ。

「いいレースができたなって思うのは、オリンピック選考会の1500m。しっかりと自分の結果を出して、しっかりと自分の手でつかみ取れたレースだったなと思っているので、大切なレースになったかなと思います」

これには美帆も会見で同じ思いを口にした。

「姉が自分の力で勝ち取った、そういう姿を見られたのは良かったなって思います」

引退を決意したW杯最終戦

そして菜那は引退を決意したワールドカップ最終戦を振り返った。最後のレースは3月12日、オランダで開催されたW杯最終戦の女子1500メートル。5位で表彰台には立てなかったが、納得のタイムで滑り終えた。思い出すと気持ちが込み上げてきた。

「このタイミングで私は終わっても悔いがないなって本当に心から思えた瞬間だったので、オランダのレースはすごく心に残るレースになったかなと思います(涙)絶対泣かないと決めてたのに…」

姉が姉で良かった 妹が妹で良かった

姉と妹、二人で切磋琢磨しながら歩んだスケート人生。妹の美帆は言う。

「ライバルっていう関係はなくなるんだなっていうのは感じていますね。思い返してみれば、姉が姉で良かったなという気持ちはあるんだなと思いました」

対して姉の菜那は言う。

「私は妹がいたからこそ、ここまでスケートを続けることができたと思いますし、妹がいたからこそ、ここまで世界で戦うことができたなと思っているので、妹が妹で良かったなと心から思っています」

会見後にはこんな一幕も。会見場の控室で出迎えたのは妹の美帆だった。ここから先、それぞれの道を歩むが、姉妹の強い絆はこれからも変わらない。

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