スローガンは『返リ咲ケ』、天皇杯奪還へ燃える千葉ジェッツは、準決勝で琉球ゴールデンキングスに92-87で競り勝ち決勝進出を決めた。3連覇を達成した2019年以来3大会ぶりとなる。

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「最終的には接戦になったが、レギュラーシーズンと違い一発勝負で、第1クオーターの最初のファーストパンチが効いた。富樫君の最初のシュートから彼を気持ちよくさせてしまって、そのまま千葉に流れを与えてしまった」

準決勝敗退となぅた琉球の桶谷大ヘッドコーチ(44)は、試合をこうボクシングに例えて総括した。リーグ戦17連勝中で西地区首位を独走する強豪チームでも千葉のエース富樫勇樹(28)を止めることはできなかった。

第1クォーター開始2分。富樫が3ポイントシュートを射抜き、チームに勢いを与えた。さらにその3分後、富樫が再び3ポイントを沈め、リードを2桁に広げた。琉球はたまらずタイムアウトを要求し修正を図るも、千葉が主導権を握ったまま試合を折り返した。

後半も富樫の3ポイントシュートから始まり、安定した試合運びを見せる千葉。流れが一変したのは最終第4クオーター。琉球の猛反撃を受け、中盤に逆転を許してしまう。それでも、千葉は新加入のクリストファー・スミス(27)と富樫の6本目の3ポイントで応戦すると、残り1分に富樫からのパスを受けた原修太(28)が試合を決める3ポイントに成功。思わず富樫はコートで吠え、最後は5点差を守り抜いた。

千葉は新型コロナのチーム内感染で1月26日を最後に試合から遠ざかっていた。この試合18得点を挙げブランクを感じさせないプレーを見せた富樫は「チームとしてしっかり練習できたのは数日だけ。期間が空いた中、かなり厳しい戦いになると思っていたが、少ない練習の中でしっかり臨めた。試合勘もコンディションも含めて大変だったが、それを感じさせないプレーを皆見せてくれていたので、すごくいいゲームだったと思う」と振り返った。

決勝は3月12日、さいたまスーパーアリーナで行う。「天皇杯で3連覇した後、この2年間、さいたま(スーパーアリーナ)の決勝の舞台にたどり着くことができず、終わってしまっているので天皇杯は今年こそと気持ちが入った。今年の目標は天皇杯とリーグ優勝の2冠なので、その一つに近づけて嬉しく思う。シーズン中の1試合なので、しっかりリーグ戦を戦いながら川崎の対策して戦いたい」と富樫。3大会ぶりの頂点へと『返リ咲ク』。

千葉92-87琉球
(9日・船橋アリーナ)

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。