秋篠宮家の次女・佳子さまは29日に27歳の誕生日を迎えられた。姉の小室眞子さんの結婚の日の朝、眞子さんをハグで送り出すシーンが話題を呼んだが、佳子さまは今年、就職や公務の引継ぎなど、活動の幅を広げられた。そんな佳子さまの2021年を振り返る。

12月3日撮影 赤坂御用地
12月3日撮影 赤坂御用地
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コロナ下の”宮中行事” 幼い頃の思い出を詠まれる

佳子さまの1年は元日、ローブデコルテに勲章を着用され、新年祝賀の儀への出席で始まった。3月には、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた「歌会始の儀」に臨まれた。

「鈴懸の木から落ちにし実を割りてふはふは綿毛を空へと飛ばす」
佳子さまは幼い頃に鈴懸(プラタナス)の実を割って中の綿毛で遊んだことがあり、同じ鈴懸の木の下に立った時、当時を思い出して詠まれたという。

「歌会始の儀」は、1月から3月に延期されて開かれた。
「歌会始の儀」は、1月から3月に延期されて開かれた。

また、12月5日には、20歳を迎えた天皇皇后両陛下の長女・愛子さまの祝賀に出席し、従妹の愛子さまの成年を祝われた。式典や行事などは、コロナ禍で去年に引き続きオンラインでの出席のみとなった。

4月には女性の発明作品の展覧会をオンラインで観覧された。佳子さまは事前に資料を読み込み、説明を熱心に聞きながら質問を重ねられたという。

”6分間”の手話ビデオメッセージ

この1年でビデオメッセージは4回寄せられた。10月にウェブ開催された「手話パフォーマンス甲子園」に寄せられた手話のビデオメッセージは6分間に及んだ。

第一回から出席を重ねている佳子さまは「大切な言葉である手話言語と、きこえない人、きこえにくい人などに対する理解がより一層深まることを、そして、誰もが安心して暮らすことのできる社会が実現していくことを願います」と述べられた。

佳子さまの手話メッセージは6分間にも及んだ
佳子さまの手話メッセージは6分間にも及んだ

去年に続いて手話のビデオメッセージを寄せるにあたり、佳子さまは映像で伝わりやすいよう、手話の表現を工夫されていたという。

さらに、ガールスカウト100周年を祝う行事にオンラインで参加し「今後、ジェンダー平等が達成され、誰もがより幅広い人生の選択肢を持てるようになることを、自らの可能性を最大限生かす道を選べるようになることを、そしてそれが当たり前の社会になることを切に願います」とビデオメッセージを寄せられた。

佳子さまの就職は”ライフワーク”

2021年5月、佳子さまは全日本ろうあ連盟の非常勤嘱託職員として就職された。佳子さまが就職されるのは初めてのことで、この一年で最も大きな環境の変化だったといえる。

母親の紀子さまとともに、手話狂言や聴覚障害支援に関する行事に出席を重ねるなど、以前から聴覚障害に関心を寄せてきた佳子さまは、2015年以降、高校生による「手話パフォーマンス甲子園」など、手話によるおことばを度々披露されている。

11月13日撮影 赤坂御用地
11月13日撮影 赤坂御用地

父親の秋篠宮さまは3年前、「公的私的は別にして、ライフワークになるようなものを持ってもらいたい」と佳子さまの将来に期待をされていたが、佳子さまはこうした公務を通じて「全日本ろうあ連盟」の業務に関心を持ち、自ら相談してインターンを経て就職。

秋篠宮家の側近によると、少しでも役に立てるよう努めていると話されていたという佳子さま。現在は公務と両立させながら、新型コロナウイルスの感染状況に鑑みて、テレワークでろうあ連盟の事務に従事されている。

姉・眞子さんの結婚

10月26日には、佳子さまがこれまで「姉は、何でも話すことのできる頼りになる存在」(2014年)と表現し、眞子さんの結婚に関する儀式が延期となった時にも「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」(2019年)と寄り添われてきた、姉の眞子さんが結婚した。

佳子さまは、お住まいの秋篠宮邸を出発する眞子さんを、しっかりと抱きしめて送り出した約1時間後、眞子さんが記者会見を行うホテルに向かい、会見までのおよそ3時間、“複雑性PTSDの状態”と診断され、心に不調を抱える眞子さんを支えられた。

家族に挨拶をする眞子さん(10月26日 秋篠宮邸)
家族に挨拶をする眞子さん(10月26日 秋篠宮邸)

さらに、結婚に寄せた感想では「姉は、これまでもこれからも、自分にとってとても大切な存在」「姉がいてくれたおかげで救われた気持ちになったことが多くありました」とこれまでを振り返った。

そして「結婚に関して、誤った情報が事実であるかのように取り上げられたこと、多くの誹謗中傷があったことを、私もとても悲しく感じていました」と、姉の眞子さんの結婚を巡る週刊誌記事やインターネットの書き込みについて記された。

眞子さんから佳子さまへ 引き継がれる”役割”

眞子さんの結婚後、佳子さまは様々な仕事を引き継がれた。結婚翌日の10月27日には、眞子さんが務めていた日本テニス協会の名誉総裁に就任。日本テニス協会の名誉総裁は、2015年に父親の秋篠宮さまから眞子さんに受け継がれたもので、佳子さまにとっては初めての名誉総裁職となった。

このほかにも、11月には、これまで眞子さんが出席を重ねてきた、緑豊かなまちづくりに貢献した個人や団体を表彰する「みどりの『わ』交流のつどい」にオンラインで出席し、ビデオメッセージを寄せられた。

「みどりの『わ』交流のつどい」にビデオメッセージを寄せられる佳子さま(11月 宮内庁提供)
「みどりの『わ』交流のつどい」にビデオメッセージを寄せられる佳子さま(11月 宮内庁提供)
眞子さんが着た緑色のスーツは佳子さまに”引き継がれた”(2019年)
眞子さんが着た緑色のスーツは佳子さまに”引き継がれた”(2019年)

初めてこの表彰式に出席するにあたり、姉の眞子さんから事前に説明を受け、眞子さんが以前式典に出た際の経験やおことばを参考にしながら、式典で述べるおことばを考えられたという佳子さま。

当日佳子さまが着用していたのは、眞子さんが前回(2019年)の表彰式で着用し、譲り受けられた洋服だった。一方、国民体育大会総合閉会式や、日本工芸会の総裁など、眞子さんが務めていた公務はこのほかにも多岐にわたる。分担はまだ決まっていないが、佳子さまが引き継がれる可能性もあり、来年以降、佳子さまの担われる役割がさらに広がることも想定される。
(眞子さま当時の画像が含まれます)

10月6日撮影 赤坂御用地
10月6日撮影 赤坂御用地

(フジテレビ社会部・宮内庁担当 髙澤真澄)

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社会部
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