太宰府主婦暴行死事件が、2021年12月に節目を迎えた。傷害致死などの罪に問われていた被告2人が上告せず、女を懲役22年、男を懲役15年などとする控訴審判決が確定した。

法廷で罪をなすりつけ合う両被告

刑が確定したのは、太宰府市の無職・山本美幸被告(42)と岸颯被告(26)の2人だ。

山本美幸被告(左)と岸颯被告(右)
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(瑠美さんの夫にかかってきた脅迫音声 2019年9月)
山本美幸被告:

あなたたちのおかげで、めっちゃ借金が増えてさ、めっちゃ生活潰されているんですけど

山本被告と岸被告は2019年10月、佐賀県の主婦・高畑瑠美さん(当時36)を監禁して、木刀で殴るなどの暴行を繰り返し、外傷性ショックで死亡させた罪などに問われていた。

亡くなった高畑瑠美さん

2人は、初公判から一貫して全ての起訴内容を否認。法廷では罪をなすりつけ合っていた。

(被告人質問 2021年2月)
岸被告の弁護人:

暴行したのは?

岸颯被告:
当然、山本さんです。瑠美さんを救えるなら救いたかったですね

山本美幸被告:
“ケツバット”と言って、おしりを木刀で30回くらいたたいていた

山本被告の弁護人:
岸さんが?

山本美幸被告:
はい

両被告と検察は上告せず判決確定

検察側は、山本被告が、瑠美さんをホストクラブに無理やり同行させて、総額6,000万円以上の借用書を作成したと主張。その返済のため、瑠美さんに対し、岸被告と激しい暴行を繰り返して服従させたと指摘した。

山本美幸被告(左)と岸颯被告(右)

注目された一審判決は…

福岡地裁・岡﨑忠之裁判長:
犯行の動機や経緯を見ても、被告人両名は、瑠美さんを服従させて搾取するという私利私欲の目的のために犯行に及んだ

(福岡地裁 2021年3月)

福岡地裁・岡﨑忠之裁判長:
主文。山本被告を懲役22年、岸被告を懲役15年などに処す

判決を不服とした山本被告と岸被告は控訴したが、控訴審も「事実の誤認はない」と一審判決を支持。2021年12月17日が上告の期限だった。
しかし、両被告と検察の双方が上告せず、山本被告への懲役22年、岸被告への懲役15年などとする一審判決が確定したのだ。

罪をなすりつけ合い、無罪を主張していた両被告に、どんな心変わりがあったのか?
山本被告の弁護人は…

山本被告の弁護人:
上告しなかった理由は、私も分からない

山本被告は、弁護人にも理由を打ち明けることなく裁判を終わらせた。

家族思いだった主婦が、無残な死を遂げたこの事件。
被告らの罪に対して、司法の判断が下され、一つの節目を迎えたこととなる。

この事件をめぐっては、遺族の訴えがありながら、捜査に乗り出さなかった佐賀県警の対応が問題とされてきた。

しかし、佐賀県警は「対応に不備なし」と結論づけて以降、再度の調査や第三者委員会の設置に向けた動きを見せることはいまだにない。

(テレビ西日本)

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