環境の変化などで漁獲量が減少しているシロウオ。再び増やそうと市民ボランティアなどが参加して、シロウオが産卵のため遡る川の整備を行った。
“春の風物詩” 室見川のシロウオ漁
福岡に春の訪れを告げるシロウオ。福岡市の西部を流れる室見川では、毎年、冬から春にかけて博多湾から産卵のために川を遡って来るシロウオ漁が盛んに行われ、“春の風物詩”として市民に親しまれてきた。
ポン酢などで流し込む『おどり食い』で知られるシロウオは、体長5センチほどのハゼの仲間で、背中に一列の黒点があり白く透明な魚。

このシロウオを『やな』と呼ばれる仕掛けで捕獲する江戸時代から続く伝統的な漁法が特徴的だ。
1960年代には2000キロ前後の漁獲量があったが、近年は川の護岸工事や生態系の変化などで数十キロまで激減。ここ数年は休漁を余儀なくされている。

シロウオ産卵場造成プロジェクト
2026年2月14日、干潮時間を迎え、水位が低くなった室見川に集まったのは、約100人の市民ボランティア。

参加者した女性によると「シロウオの産卵場所を作るために石を掘り起こそうという活動をしている」という。

毎年、この時期、産卵のために博多湾から川を遡るシロウオの産卵場所の整備。その名も『シロウオ産卵場造成プロジェクト』だ。この取り組みは、九州産業大学などが作るグループが主導して2011年から毎年、行われていて16年目となる。

主導する九州産業大学建築都市工学部准教授の伊豫岡宏樹さんは「今、ちゃんと考えて身の回りの環境作りとかしていかないとシロウオに限らず少なくなっていく、少なくなっていっている生き物がたくさんいますので、川に目を向けてみたりとか、そういう時間が少しでもみんなに増えたらいいなと思います」と話す。

シロウオは川底の石の下に産卵する習性があるが、近年の室見川は、川底に砂が溜まり、石が埋まった状態。参加者たちは砂の中から石を掘り返し、川の中に散らばるように勢いよく投げていた。

2026年も休漁が決定 再開目指して…
プロジェクトに参加して5年以上になる女性は「活動される方は毎年、増えているので、意識としては上がっているんだと感じます。市民の力で増えていって行政がバックアップしてくれるといいな」と石を掘り起こしていた。

伊豫岡准教授は「続けないとキープはできない、維持ができないという活動です。地域の人たちの自分の身近な環境との関わりというのをうまく繋ぎ止めたいという気持ち」と活動を継続することが大切だと話す。

2026年も休漁が決まっているシロウオ漁。地道な活動が実を結ぶ日を願い、来年以降も活動を続けるとしている。
(テレビ西日本)
