飲食店の苦境に「支えあい自販機」登場 ギョーザにパン、果物も…「畑違い」の企業が設置【長野発】
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飲食店の苦境に「支えあい自販機」登場 ギョーザにパン、果物も…「畑違い」の企業が設置【長野発】

コロナ禍の飲食店や農家を支援する企業の取り組み。多くの飲食店と取引のある長野・岡谷市の会社が、支援になればと、取引先の商品を売る自動販売機を設置。助け合いの輪が広がっている。

自販機で売っているのは…?

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ギョーザに、ケーキ、果物も。

いずれも「自動販売機」の商品だ。

自販機があるのは、岡谷市の「アイ・コーポレーション」の敷地。多くの人に気軽に利用してもらえればと、スペースを「ミライテーブル」と名付けた。

ギョーザを購入した客:
(感染の)心配をしなくて気楽に買えるっていうのは、いいなと思います。お店に行ったりしなくても手軽に買える感じは、たまには便利かなって

チーズケーキを購入した客:
見る楽しみもあるし、今度どんなの入ったかなって

2台は冷凍の自販機で、この日は6店舗の冷凍のギョーザやラーメン、そばを販売。
冷蔵の自販機では、ケーキやパンの他、普段は豊丘村の道の駅に出荷されている果物が売られていた。

コロナ禍にあえぐ飲食業界と協力

設置したアイ・コーポレーションは、ビルメンテンナスや廃棄物処理を手掛ける企業。「畑違い」の食品の自販機営業に乗り出したのには、切実な理由があった。

アイ・コーポレーション・羽場健太さん

アイ・コーポレーション・羽場健太さん:
(コロナ禍で)弊社のお客さまの飲食店に影響が出てしまうと、その分(自社の)仕事の数も減ってしまうので、波及して弊社の方にも影響はありました

アイ・コーポレーションは飲食店に清掃用具などを貸し出す業務もしていて、コロナ禍にあえぐ飲食業界と関係が深い会社。
そこで2021年6月に、飲食店の商品を仕入れて自前の自販機で売る新たなビジネスに乗り出したのだ。

アイ・コーポレーション・羽場健太さん:
何かできないかなって考えて、つながりのある企業にお声がけして商品を提供してもらったりとか、販売してもらえないかというような声をいただいて販売に至った

ラーメン店の「冷凍ギョーザ」…新たな販路に

松本市のラーメン店「おおぼし」は、アイ・コーポレーションの取引先の一つ。多くの飲食店同様、コロナの影響を受けている。

おおぼし・三森大祐社長

三森大祐社長:
だいぶ打撃を受けまして、コロナ前に比べたら(売り上げは)戻っていない状況でして。(コロナ前と比べ)10~20%は少なくなっていますね

売り上げを挽回しようと7月から自販機用の冷凍ギョーザを作っていたが、アイ・コーポレーションのおかげで岡谷での販売ルートができた。

三森大祐社長:
他でどのように売り上げを増やしていくかって考えたときに、いろんなコンテンツを持っていないとだめだなと思うので、販売する経路として増えたのでありがたかったです

人気商品「やさいぱん」…難局を乗り越えて

自販機の人気商品の一つ「やさいぱん」。トマト、ほうれん草、かぼちゃ、紫いもの4種類のパンが冷蔵自販機で販売されている。

「やさいぱん」を作っているのは、岡谷から遠く離れた長野市の「ミールケア」。給食受託サービスの会社で、「やさいぱん」は保育園などの給食にも提供されている人気商品だ。

ミールケア・田子美津子常務取締役:
多くの人たちに違うところでも召し上がってもらうのは、ありがたいお話ですね

ミールケアのパン、実は二つの難局を乗り越えて作られている。

台風19号で浸水被害(2019年)

2019年10月の台風19号による大雨で、長野市長沼の千曲川の堤防が決壊。決壊場所から約800メートル離れたミールケアのレストランやパン工場も浸水、従業員は復旧に追われた。

その後、工場でパンの製造を再開させたが、今度はコロナの影響を受けた。

ミールケア・田子美津子常務取締役:
東京とか関東の方は、休園とか登園の自粛があったので給食提供数も減りましたので、少し影響があったのかなと思います

被災から2年経った先月、パンの直売店がオープン。これに合わせて「やさいぱん」はアイ・コーポレーションの自販機にも置かれている。

ミールケア・田子美津子常務取締役:
直販店をオープンできたことと、そのタイミングで岡谷で自販機の中で販売・購買してもらえるってことは、うまくタイミングがあっているなと、生産する側も励みにもなります

自販機を通して「飲食店と一緒に」

アイ・コーポレーションは防災備蓄用のコンテナを活用して、「無人販売」もサポートしている。

飲食店と共に歩んできたアイ・コーポレーション。取り扱う商品を増やして、今後100カ所を目標に自販機を設置したいとしている。

アイ・コーポレーション・羽場健太さん:
自動販売機を増やすことで、地域の方がいろんな飲食店の味を知るきっかけになって、コロナが落ち着いてきてから飲食店に足を運んでもらえるのが一番うれしい。飲食店と一緒に、長野県を盛り上げていけるような事業にしていきたい

(長野放送)

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