10月31日に投開票が行われた衆議院選挙。衆院選の過半数となる「233」の議席を、与党あるいは自民党単独で確保できるかがポイントとなる。20時時点のFNN議席予測では、自民党が46議席減らし、230議席で単独過半数を割る予測に。
『Live選挙サンデー 』では、神奈川13区で自らも苦戦する自民党・甘利明幹事長に橋下徹氏、古市憲寿氏が直撃した。

自分の思いが伝わらないジレンマを感じた

宮根誠司:
甘利さんご自身の選挙区(神奈川13区)も厳しいですか?

自民党・甘利明幹事長:
厳しいですね。状況は前回よりもはるかに厳しいなと感じました

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宮根誠司:
FNN予測だと、自民党は単独過半数割れの230です。甘利さんも自民党も数字的に厳しい状況ですが、橋下さんは甘利さんに何か質問ありますか?

橋下徹氏:
今回、永田町の感覚と国民の感覚の違いを多くの自民党の皆さんが、特に甘利さんが感じられたと思うんです。永田町の感覚と国民の感覚、この違いをご自身で痛切に感じられましたか?

自民党・甘利明幹事長:
そうですね。前回、私はダブルスコアで勝っているんですけれど、立憲と一対一になって、共産党が立憲と組んで、自分が取る票以外は全部相手という形になったのは、非常に自民党にとっては辛いんですけれど…それでも勝ち抜かなきゃいけない。

国会議員は、国会で大きなビジョンで日本の未来を語るんですけど、その日本の未来を個々にお話しする人には、好感を持っていただいているんです。
それが、みんなに伝わっていかない、なかなか自分の思いが伝わらないというジレンマを感じました

なぜ第三者調査報告書を開示しない

橋下徹氏:
僕は、別の番組で議論させてもらいましたけど、『政治とカネ』の問題で、甘利さんの大臣室でお金を受け取ったことに関しての説明ですが、あれは「政治家としての政治献金」で、僕は「大臣室で受け取るはダメですよ」と話をして、甘利さんも納得していただきました。

もうひとつ、その調査報告書があるならば、ぜひ公開して欲しいんです。公開できないのでしょうか?そういうところの不満とか、そういうものが今回の選挙結果に出てるのではないでしょうか?

自民党・甘利明幹事長:
最初に調べていただいたのは、私が話をして、質問が尽きるまで全部お話ししました。
自分のことは、私が一番誰よりも知っていますから、何でも答えられたのですが、秘書の分も調べていただきましたが、それ以降の部分で何かあるとしたら、それを調べます。ということで、秘書の部分を調べてそれも会見してお話をしました

橋下徹氏:
特捜部のOBが、第三者調査をやらたという甘利さんのご発言だったんですけれど、やはり甘利さんが大臣室で受け取ったお金については、「政治資金収支報告書には載せていなかった」と、あとから全部辻褄が合わないなどいろいろ報道があるので、特捜部のOBの調査報告書は開示された方がいいと思うんです。なぜ開示できないのでしょうか?

自民党・甘利明幹事長:
私は全て話しました。それは、秘書の部分を調べたわけです。秘書はもう私のところを離れて、一民間人になっています。
私の場合は、検察の調べと検察審査会の調査が私が関与しないということで両方一致したわけです。ただ、秘書の場合は検察の考え方と検察審査会の考え方が若干違ったんです。そのどこが違うのかということを調べてもらって…

橋下徹氏:
ただ、これは甘利さんのお立場だったら開示した方が、有権者に伝わると僕は思います

古市憲寿氏:
橋下さんと甘利さんのやり取りを聞いていても、やはり甘利さん側がどうも何かモヤっとしてるというか、ちゃんとその説明責任を果たしてないなって気がしたんですが?

自民党・甘利明幹事長:
どこのところなんでしょうかね?

橋下徹氏:
調査報告書が、第三者の特捜部OBが作っているというのであれば、それを開示していただければいいのに、そこを開示しないというところに、古市さんとか多くの一般の有権者がもやもや感があると思うんだと思います

古市憲寿氏:
もちろん甘利さんが、それで別にいいってことだとそれでいいんですけど、その結果、この選挙でも劣勢が伝えられているわけですよね。
スキャンダルの影響というのは、ご自身でもやはりお感じになりますか?

自民党・甘利明幹事長:
それは、事実がちゃんと伝わってないです。わざと曲解して伝わるような大きな動きをされましたから、そこは私が真実を言っても、逆に必ず取られますし、それはもう検察も調べて、検察審査会も調べて、私が全く関与していないってことは一致しています。ただ、秘書の部分で私が秘書が何をしていたかということを知らなかった。それが監督責任だから、監督責任をとったんです。

地元の秘書ですし接触がないんですよ。メールしかやってないんです。メールをみんな開示しましたから。いかに関与していないか、それも証明してあるんです。
要するに、その秘書の行動が法律に抵触するかどうかだけなんですね。それは、検察は抵触していないと。検察審査会は、若干そこに疑義があるんじゃないかっていうことで、そこの部分を調べたのです

橋下徹氏:
この結果を受けて、幹事長は続けられるんですか?

自民党・甘利明幹事長:
とにかく私が当選するかどうかわかりませんから、その結論が出ると後に、進退は当然もう総裁にお預けするということです

自分の選挙区で劣勢は責任を感じる

古市憲寿氏:
現職の幹事長がここまで選挙区で劣勢ってことは、なかなかないと思うんですけれど、ご自身ではやっぱり責任など感じてはいらっしゃいますか?

自民党・甘利明幹事長:
もちろん感じていますし、よくどうしてこういうことになったのか。前回は事件のすぐ後で、ダブルスコアで勝っているんです。今回は6年経っています。
それで、どうしてこういうことになったかっていうことは、よくお調べになった方がいいかと思います

反町理キャスター:
責任を取るかどうかについては、進退を総裁にお預けするとおっしゃいましたけれど、その進退を預ける根拠というのは、例えばうちの予測でいうと「46議席減」の方なのか、「ご自身の選挙の苦戦」どちらですか?

自民党・甘利明幹事長:
幹事長ですから、まず選挙の指揮を執るのが幹事長ですから、そこだと思います

反町理キャスター:
自民党の単独の過半数にどのくらいこだわるかにもよりますけれど、無所属から出ている自民党系の議員がたくさんいます。そういった方々を追加公認することで、自民党単独での過半数確保に向けての動き、これはどのようにお感じになっていますか?

自民党・甘利明幹事長:
当然ですね。当選したら入りたいとか、あるいはもともと自民党だった人ですから、そこはきちんと手続きは取りたいと思います

宮根誠司:
細野さんは、もう自民党入りたくてしょうがないと思うんですが、細野さんはもう入れちゃいます?

自民党・甘利明幹事長:
通ってから判断したいと思います。細野さん自身は、もともとそういうご希望を持っていらっしゃったし、そういう道はつけなきゃいけないですねということは、もし当選をされたら若干私も申し上げておりました

宮根誠司:
じゃあ本人に後ほど「もう入れますよ」と言っちゃってもいいですか?

自民党・甘利明幹事長:
それは待ってください

反町理キャスター:
そのお話は、例えば同じ小選挙区から自民党の現職・吉川さんが出ているわけじゃですが、吉川さんが比例で復活して当選した場合、細野さんに対する対応が変わってきますか?

自民党・甘利明幹事長:
若干加味しなければならないかもしれません。どういう工夫をするか

橋下徹氏:
僕は経済安全保障の考え方は、絶対これ必要だと思って、甘利さんそれは活躍していただかなきゃいけないと思ってたんですけど、やはりスキャンダルの問題、ぜひ第三者調査報告書開示して何とか有権者の信頼を得てもらいたいと思います


(「Live選挙サンデー」10月31日放送分より)

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