サンロッカーズ渋谷は9日、本拠地・青山学院記念館で秋田ノーザンハピネッツを94-83で下し、開幕3連勝を飾った。
3季連続で平均20得点以上を記録するチームのトップスコアラーのライアン・ケリー(30)が前日に腰椎椎間板ヘルニアで戦線を離脱。開幕早々に訪れた危機的状況の中、出場機会を得た西野曜(23)が16得点の活躍で救った。専修大学時代には199センチの長身と高い身体能力でインカレの得点王にも輝いた若きホープだ。
この記事の画像(7枚)「ケガ人がいる中で、チームで勝てたのが嬉しい。自分は機動力があると思っているので、速攻で走って決められてよかった」。
ライアン・ケリーから「使わないからやるよ」ともらったヘッドバンドを身に着けた西野はヒーローインタビューで声を弾ませた。
SR渋谷は第1クォーターに35点の大量失点をした。秋田のベテラン古川孝敏(33)に3ポイントシュートを4本も決められ、手がつけられなかった。
「スリーを量産されているから、何とか止めよう」。
チームの指揮を執る伊佐勉ヘッドコーチ(51)は第2クォーターを前にこう檄を飛ばした。
第2クォーター、渋谷はその古川に2人がつくダブルチームを仕掛けるなどディフェンスの強度を上げる。さらに西野も高橋耕陽(27)とダブルチームで秋田の新外国人コルトン・アイバーソン(32)を封じこめる。激しいディフェンスからリズムをつかむと、西野が得意のリバースレイアップを沈めるなどSR渋谷は16連続得点のランで秋田に逆転する。
第3クォーターには西野はマッチアップした秋田の得点源ジョーダン・グリン(32)にプレッシャーをかけ続けミスを誘えば、「今日は速攻で走れたのが16得点につながった」と堅守からの速攻で連続得点を挙げ、一気に勝負を決めた。
「体を張って相手に好き勝手させないディフェンスが体現できた。自分は見た目細いが『Body To Body』、体を当てたディフェンスを心がけている」と守備でも手応えをつかむ西野。
伊佐HCも「アクティブに動ける彼らしいプレーから自分たちのリズムになった。ケリー選手がいるくらいじゃないかと思うくらいの素晴らしいプレーだった。完璧に守れたんじゃないかと思う」と絶賛した。
チームの大黒柱の故障という危機から出場機会を得た西野が、ピンチをチャンスに攻守で4連勝に導く。
SR渋谷94-83秋田ノーザンハピネッツ
(青山学院記念館・1201人)