ヨルダン・アンマンで行われている『FIBA女子アジアカップ2021』。女子日本代表(FIBAランキング8位)は予選ラウンドでインド、ニュージーランド、韓国に勝ち、予選ラウンドA組を1位通過で準決勝に進んだ。昨日行われた準決勝の相手は、オーストラリア(3位)。

最後の1秒まで勝利の行方は分からなかった。一進一退の攻防、粘りを見せた日本が67-65で勝利。見事な3ポイントシュート、果敢に飛び込むリバウンド、要所要所で見せた我慢強さが着実に、勝利へと繋いでいった。

キャプテン林選手「みんなでつないだ勝利」©fibaasiacup
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先に行われた準決勝第1試合、中国vs韓国は、中国が93-69で勝利し、決勝進出を決めている。

前人未到の5連覇まで、あとひとつ。

「気持ちが強かった」 我慢強く繋いだ日本が勝利

『FIBA女子アジアカップ2021』準決勝、息詰まるオーストラリアとの一戦を振り返る。

【第1クォーター】

前人未到の5連覇まであと1勝 ©fibaasiacup

スターティングメンバーは予選ラウンドと同じく、馬瓜ステファニー、林咲希、宮崎早織、赤穂ひまわり、オコエ桃仁花の5人。立ち上がりはオーストラリアに連続得点を許すも、オコエや林などが順調に得点を重ねる。
途中出場の山本麻衣や根本葉留乃も3ポイントシュートなどを決め躍動。ディフェンスやリバウンドと、インサイドで体を張る場面も多く見られた。20-12で日本リード。

【第2クォーター】
オーストラリアが得点を重ね、3点差となったところで日本タイムアウト。林咲希が3ポイントシュートを沈めるが、その後日本はことごとく、リングに嫌われる。残り4分36秒で同点になった直後、赤穂ひまわりのナイスリバウンドは得点に繋がらず、ついに逆転を許す。
得点が伸びない日本は残り42.2秒でタイムアウトを取る。山本麻衣が終盤3ポイントシュートを決めるもリードされたまま、前半は31-36で終了。

【第3クォーター】

林選手 ここぞという時に3Pが決まった©fibaasiacup

スタートと同じ5人で後半へ。日本はディフェンスも機能しはじめ、林咲希が3ポイントシュートを沈めると、オコエ桃仁花、赤穂ひまわりと連続で得点、さらに山本麻衣のバスケットカウントなどで勢いに乗る。しかしオーストラリアも得点を重ね、点差は離れない。
残り1分21秒、49-53とリードを許し日本タイムアウト。赤穂のシュート、馬瓜ステファニーのフリースローで53-53の同点に。最後はオーストラリアがリバウンドからのセカンドショットを沈めて53-55と、日本が追う展開で最終クォーターへ。

【第4クォーター】
オーストラリアペースで展開していくが、林咲希の3ポイントシュートが決まり56-60。ここから両者、得点が止まる。

攻撃だけでなくディフェンスでも光った馬瓜選手©fibaasiacup

均衡を破ったのはオーストラリアだったが馬瓜ステファニーがリバウンドからのセカンドショットを決めると、ここでもまた林咲希がリングを射抜く。馬瓜がファウルをもらったところでオーストラリアがタイムアウト。馬瓜はフリースローを沈め、残り2分49秒でオーストラリア再びタイムアウト。
日本はいいディフェンスを見せるが、オーストラリアも3ポイントシュートを沈めて同点。残り2分を切って赤穂ひまわりの得点で67-65。日本は果敢にシュートを狙い、外れはするものの、馬瓜と赤穂のオフェンスリバウンドで繋いだ。そのまま67-65で日本勝利、決勝戦へと駒を進めた。

若き司令塔が気迫のプレーでチームに勢いをもたらす

一際存在感を放ったのが山本麻衣選手だ。14分47秒の出場で、3ポイントシュート2本を含む12得点の活躍だった。

若き司令塔 山本選手 ©fibaasiacup

堂々としたゲームメイクや、一瞬の隙を見逃さない嗅覚が大変魅力的な選手だ。元来力のある選手だが、3人制の代表として東京オリンピックへ出場したその経験が、彼女をレベルアップさせたことは間違いないだろう。今日の試合でも、オーストラリアの高さに怯まず果敢にリングへとアタックする姿が印象的だった。

豪の高さにも怯まずアタックする山本選手©fibaasiacup

予選3試合では、本来の力をあまり発揮できていなかったと語る。恩塚亨ヘッドコーチは「この3試合、シュートタッチがあまり良くなかったがディフェンスで貢献してくれていた。不安もあったと思うが、自分で乗り越えてくれた」と称えた。

山本選手自身も予選はちょっと迷いながらやってしまったと振り返ったが、「ここからというのが自分の正直な気持ち」と、心はもう次の試合へと向かっている。

その堂々とした戦いぶりから、ますます目が離せない。今日の決勝戦でも強気なプレーでチームを勝利へと導いてくれるはずだ。

対戦相手は、前回のアジアカップ決勝でも顔を合わせた中国だ。
いまだ達成されたことのない「5連覇」へ向けて、いざ決勝の舞台へ。