初の女性首相誕生となるか?

慌ただしさが増す自民党総裁選、注目されるのが2人の女性です。
高市早苗前総務大臣はテレビ番組に出演し、「3本の矢」の「サナエノミクス」をアピール。
一方、もうひとりの女性、野田聖子幹事長代行は、菅総理と面会し「多様性を担えれば」と伝えたということです。
同期対決で注目される2人の女性。期待されながらも、これまで日本で女性総理が誕生しなかった理由はどこにあるのでしょうか。女性の活躍を阻む“ガラスの天井”と呼ばれるジェンダーの壁について、元衆院議員・金子恵美さんの体験談をもとに考えました。

「女性に任せられない!」と言われた過去 永田町の“ガラスの天井”

女性議員の活躍を阻む、ジェンダーの壁。
金子恵美さんは国会議員時代、どのようなことを感じていたのでしょうか。

金子恵美さん:
まず、議員になるという事に対して、地域性はあるんですけれども、やはり、家族の理解がなかなか出馬することに得られないとか、「家庭との両立」とか、選挙資金を調達できないということで、女性議員がなかなか立候補できないという課題はあるんです。
ただ、昔に比べればスタートラインに立つことすら出来ない、という状况ではなくなったと思うんですね。
女性議員は少しずつ増えてきてますし、諸外国は義務化してクオータ制もありましたけれども、日本も一定数国会議員の中に、政党の中に女性候補を、という努力義務としても法律ででてきたので、少しづつ増えてくるかと思います。

金子さんは自身の体験から“ジェンダーの壁”を感じることがあったといいます。

金子恵美さん:
ただ、私の印象としては、なってからの方が女性議員って大変だったりして、私自身、地方議員と国会議員どちらも経験させていただきましたけれども、私事で恐縮ですが、「政治は男性がやるもの」ということが、地域の方々であったり、有権者の方々の中の認識・意識にあるのかなと思うことが何度かありました。
例えば、道路の問題やインフラ整備など男性がやってきたところもあって、女性にそんなことは任せられないと。「金子さんが男性だったらお願いしたんだけどな」と言われて、やっぱり男性の方に相談されたと。
能力の前に意識的に「女には心許ない」というような場面があったり、役職を与えてもらったりしても、私自身も政務官の時に先輩議員から「それは女性枠だから今回まわってきたんだよ」って言われたりしました。
それは男性のやっかみだと思いますけれど、そういう男性社会の政治の中で生きていく為には、やっぱり女性も強くなっていかなくてはいけないから、“強いイメージの女性議員”って思われてるんじゃないかなと思いますよね。

議員になってからの方が感じたという女性であることによる足かせ。
それを自らの力で外せば「強い女性」というイメージが定着する・・・・・・。
政治の世界には、ジェンダーバイアスがはびこっていることを示しています。

(「めざまし8」9月8日放送)