三度目の正直で初優勝

赤く染まったスタンドで誰もが目を赤くした。
Bリーグ王者を決めるチャンピオンシップ決勝は千葉ジェッツ(東地区2位)が宇都宮ブレックス(東地区2位)を71対62で破り、3度目の決勝進出で初の優勝を果たした。

勝利の瞬間、雄たけびをあげ、溢れる感情を爆発させた。歓喜の輪の中心にいたのは、キャプテンとして司令塔としてチームを引っ張ってきた富樫勇樹(27)だった。

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167センチと小柄でも、大きな舞台ではその存在の大きさを発揮する。
この日も最終第4クォーターの勝負どころで、スピードに乗ったドライブからの得点で1点差に詰め寄り、勝ち越した直後にはリバースレイアップを決めて勝利を大きく手繰り寄せた。

「チーム全員を誇りに思う」

「3年前と2年前のファイナルで敗れて、この瞬間のために1年間頑張ってきたので、チーム全員を誇りに思う。今日はチームの勝利のために自分ができることを考えて、それができたと思う」と目を潤ませた。

激動のシーズンだった。春先にチーム内で新型コロナウイルス陽性者が出たため活動が停止した。「大変なシーズンだった」と富樫。それでも、「1つの勝利に満足せず自分たちの目標を見失わずに努力してきた」と練習から全力を貫き続けた。そして、過去に2度味わった悔しい経験から「何かが足りないと思った」と、“アグレッシブなディフェンスから走るバスケ”を磨いた。

大野HC「長かった。本当に幸せ」

2016年に監督に就任し苦節5年目でチームをリーグ王者に導いた大野篤史ヘッドコーチ(43)も「長かった。その一言に尽きる。彼らの笑顔を見て本当に幸せ。なかなかここにたどり着けなくて、選手たちと苦しい思いをしたが、選手たちとたどりつけて幸せなコーチだと思う」と涙を見せた。

「今季は最後に笑って終えられるように1年やってきて、それが叶った。来年もう1回必ずここに戻って来て、連覇のチャンスに挑みたい」と富樫。今季一番の笑顔だった。

「千葉さんの気持ちが上回った」

一方、2度目のリーグ制覇をあと一歩のところで逃した宇都宮ブレックスの安齋竜三ヘッドコーチ(40)は「千葉さんの素晴らしい気持ちとプレーが僕らを上回ったと思う。最後は勝ちきれなかったけど、自分たちがやってきたことは間違いじゃない」とチームに根付く『ブレックスメンタリティー』を最大限に発揮した選手たちを称えた。

☆宇都宮ブレックス62-71千葉ジェッツ☆☆
(1日・横浜アリーナ・4,785人)