2人の“ユウキ”が激しく火花を散らした。
バスケットボール日本代表で千葉ジェッツの司令塔・富樫勇樹(27)とB1リーグ史上最年少出場記録(18歳8カ月)を持つ横浜ビー・コルセアーズ河村勇輝(19)の注目のマッチアップが実現した。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki
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千葉の富樫はスタメン出場。横浜の河村はベンチスタートとなった。第1クオーターまずは、日本人初の1億円プレーヤー富樫が挨拶代わりの3ポイントシュートを決め、船橋アリーナを沸かす。するとその1分後、河村がコートに。身長170cmのポイントガード(PG)河村は、ポジションも同じ、167cmの富樫とスピードあふれる攻防を繰り広げる。

第2Qには、河村がふわりと浮かせるフローターシュートで点差を縮めると、直後についに注目のマッチアップ。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki
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河村が富樫からスティールでボールを奪い、ジェッツ陣内に持ち込むも、背後から追いかけてきた富樫が必死のディフェンスでシュートを阻むなど、2人の“ユウキ”が激しく火花を散らした。

千葉が10点リードで前半を折り返すも、後半、河村が意地を見せる。
3ポイントシュートを決めるなど、点差を縮める。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki
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試合は一時、横浜が7点差まで詰め寄ったが、千葉ジェッツのベテランPG西村文男(34)が3ポイントを連発し勝負あり。最終スコア75-64で千葉が横浜を下した。

この日は延べ21分プレーし6得点1アシストの河村は試合後、ポジションも同じで日本ナンバーワン司令塔・富樫との直接対決について、「富樫選手と比較されるのは光栄なこと。実力が全然違うにもかかわらず、取り上げてもらうのはありがたい。もっとやらなければいけない課題がたくさんあると感じた」と語った。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki
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河村と富樫が同じコートに立つのは約1年ぶり。河村が三遠ネオフェニックスでB1デビューを果たした2020年1月以来となる。福岡第一高校3年生の時には2019年11月の天皇杯2次ラウンドで河村は富樫が出場した千葉戦でプロを相手に21得点10アシストの活躍を見せた。

東海大学に進学し、今季途中から横浜に特別指定選手として加入している河村は、「大学で培ったバスケットIQを活かせていると思う」と話し、一方で「大学の選手とはサイズ感の違う外国人選手と試合できて、大学では感じられないものもたくさん感じる」とプロの世界でプレーを重ね、その手応えを感じているようだった。

一方の富樫は約22分半のプレーで6得点5アシスト。チームは快勝したとはいえ、自身はなかなか思うようにプレーできていないと首を傾げつつ、河村との対決については「Bリーグが始まった当初は田臥勇太選手との対決が注目された。河村選手との対決にもこうやってたくさんの方が注目してくれることは嬉しい」と話した。

©CHIBA JETS FUNABASHI/PHOTO:Atsushi Sasaki
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河村の印象については「マッチアップは長い時間はできなかったが、高校生から大学生になり、体つきもよくなった。東海大学でしっかりウエイトトレーニングをしているように感じた。ディフェンス、そしてオフェンスもピック&ロールを使ったパスだったり、彼の良さを見ることができた」と富樫。

「彼の今後の活躍は応援しつつも、対戦したら勝ちたい。今後もいい刺激をもらいながら、いい関係性でやっていきたい」と未来の日本を背負っていく期待の新星に熱きエールを贈った。

千葉ジェッツ 75-64 横浜ビー・コルセアーズ
(船橋アリーナ)
千葉|24|20|18|13|=75
横浜|20|14|13|17|=64

(フジテレビ・加藤忍)

加藤忍
加藤忍

早稲田大学卒業。フジテレビ入社。スポーツ局すぽると!ロッテ担当、ヤクルト野球中継などを経て現在は報道局兼スポーツ局。