新型コロナの影響で欠かせなくなったのがマスク。
冬には暖かく夏には冷たく、そしてメガネの曇りにも対応するなど、さまざまな種類が登場しているが、肌負担やメイク汚れについての悩みもある。こうした悩みを解消しつつ、オシャレにマスクをデコレーションできる商品が登場した。
株式会社RECOLTZ(岩手・盛岡市)が1月15日に発売開始したのは、マスク用インナーフレームの「マスクぴたのんBIB-IT.+(ビブイット プラス)」だ。

これは1本のフレーム(マスクぴたのん)をマスク内側に専用のボタンを使って直接装着することで、肌へのマスクの貼り付きや息苦しさ、メイク汚れなどを軽減することができるというのだ。

専用ボタンは「BIB-IT.」というスナップボタンタイプのゼッケン留めを使用。安全ピンを使用しないもので、マラソン大会や自転車競技などでも高い支持を得ているものだそう。このボタンを使うことで、マスクとフレームがしっかり固定され、かつ、激しい動きをしてもずれる心配がないというのだ。
また、このボタンは機能性だけでなくデザインも豊富で、気分に合わせて着せ替えを楽しむことができる仕組みとなっている。さらに、オリジナルのデザインをプリントすることも可能だそう。

1セットの中には、マスクぴたのん1本、「BIB-IT.」2個、クッションパッド2個が入っている。
装着方法は、
1.マスクぴたのんの中心部にある溝を折り曲げ、マスク中心部と合わせる。
2.両サイドをBIB-IT.で固定。
3.ぴたのんにある残りの溝を折り曲げて、マスクにフィットさせ完成。
なおクッションパッドは、両サイドの突起が肌に触れて気になる場合に付けるといいそう。



サイズは、普通サイズのマスクに使用するL(全長17.8センチ)。小顔用~子供サイズのマスクに使用するS(全長14.8センチ)の2種類。
なお布マスク用の商品だが、不織布マスクにも使用することができ、その場合はSサイズを勧めている。

価格は500円(税抜き)で、RECOLTZの店頭・ウェブショップ、サハラガラスパーク(岩手県一関市)で購入することができる。また、BIB-IT.2個のみの「着せ替えボタンセット」(税抜き300円)もあり、マスクぴたのんを購入後も別のデザインを楽しむことができる。
マスク着用のストレスから解消されるだけでなく、オシャレまで楽しめる商品だが、なぜこのような形を思いついたのだろうか?そして現在の反響は?
株式会社RECOLTZの余湖明智代表取締役に話を聞いた。
発明くふう展の特賞2社のコラボで開発
ーー「マスクぴたのんBIB-IT.+」は、どういった経緯で誕生したの?
岩手県発明くふう展において、東北経済産業局長賞・特賞を2019年に受賞した、弊社「BIB-IT.」ゼッケン留めと、同賞を2020年に受賞した、株式会社佐原様の不織布用「マスクぴたのん」の、それぞれの特徴を活かして新しい商品が出来ないか…と、両者の意見が一致したことで、話がトントン拍子に進み、新商品の開発に至りました。
ーーマラソン用ゼッケン留め「BIB-IT.」をマスクに使おうというアイデアはどこから?
マラソン大会の開催がコロナの影響で全滅してしまった事で、ゼッケン留めの販売がほぼゼロとなってしまいました。このままでは倒産してしまうという危機を感じ、趣味のマラソンからヒントを得て、息が楽なスポーツ用マスクの販売を始めました。
売れ行きが好調なため、新たな商品として、サバイバルゲーム用のインナーマスクからヒントを受け、「マスクに装着するインナーフレームの商品化が出来ないか…」と構想していました。同時に、「BIB-IT.をマスクのデコレーションとしてバッチ代わりに付けたらどうか?」というアイデアを思いつきました。
その折、発明くふう展の特賞受賞者同士という繋がりから、初めはネットショップの運営についての相談を受ける形で、株式会社佐原様と知り合いました。サンプルとして頂いた「マスクぴたのん」を試させて頂いたところ、私の思い描いていたインナーフレームとは形状が異なるものの、BIB-IT.とコラボレーションすることで、「“私が構想していたインナーフレーム”と、“BIB-IT.を使ったマスクデコレーション”の両方を兼ね揃えた商品ができるのでは!」という閃きから商品が誕生しました。

ーー開発で苦労した部分は?
多く存在するマスク素材に、いかにしてBIB-IT.でマスクぴたのんを固定出来るか…という課題から、受け部分の形状と穴の大きさ、素材などの調整に苦労しました。
BIB-IT.はランニングウェア用の商品のため、マスクのように伸縮性の有無があったり、厚みの多様性のある物への装着は想定していませんでしたので、試行錯誤によって現在の形になりました。
ーー使う際に注意することはある?
厚みがあり伸縮性の無いマスクには、取り付け出来ない場合がございますが、使い方自体は非常に簡単ですので特に注意点は無く、お子様からご高齢者までお使いいただけます。

ーー実際の着け心地を教えて
軽量である事に加えて、直接マスクに装着しているため、存在を忘れる事もある位の軽い付け心地です。これまで主流だった、カップタイプのインナーフレームを使用していた方々からは、フレームに汗が溜ったり、口元や鼻周辺に跡が付く事が少なくなって、快適に過ごせると好評を得ています。
マスクの生地や商品が肌に触れる部分を如何に少なく出来るかを追求した商品ですので、肌荒れに悩んでいた方々からも、肌に触れる部分が減って良かったと多くの感想を頂きました。
100種類以上のバリエーション
ーー現在の反響は?
一度使っていただいた方にはとても気に入って使っていただいており、着せ替えボタンを追加で購入して頂くなど、新規のお客様だけでなくリピーターも徐々に増えてきています。
その反響に対してとても嬉しく思いますが、2社とも専門外の商品のため、このジャンルを扱う商社や販売ルートを持っておらず、現状は自社の店舗やネットショップでの販売のみとなっているため、もっと多くの方に使っていただき、この商品の良さを知っていただきたいと強く願っています。
ーー現在、ボタンの種類はどれくらいあるの?
マスクぴたのんBIB-IT.+用としてウェブショップで購入できるのは24種類。店頭限定デザインも含めると約30種類ございます。ゼッケン留め用として販売しているBIB-IT.も使うことが出来るため、すべて含めると100種類以上ございます。

ーーボタンでマスクでのオシャレを楽しめることに対する反応は?
着せ替えボタンを併せて購入される方や、フレームを購入後に別途着せ替えボタンを追加購入して頂く方がとても多いです。特に店頭では、お客様からのデザインの要望も多く、新たに追加したデザイン(店頭のみ)も御座います。
現在、各取扱店舗独自のデザインもあるため、これを求めて遠方からお越しいただくお客様も居りますので、マスクデコレーションに対しての反響の高さを感じています。
ーーどんな場面やどのような人に使ってほしい?
会社からほど近い小学校との職場見学を通じての交流があり、体育や音楽の授業もマスク着用のまま…という現状を伺い、商品が完成して直ぐに、小学校に寄贈させていただきましたが、マスク着用によって不便や我慢を強いられている子供達が、少しでも楽に生活できるように、そしてデザインで楽しんでもらえたら嬉しいです。
また、元々マスク関連商品の販売を手掛けるきっかけとなった、マラソンをはじめ、多くのスポーツシーンで、マスク着用による息苦しさ等に悩まされている方々にも広く使っていただきたいです。

余湖さんは「取扱店舗を増やして行くにあたって、店舗独自の限定デザインを作成したり、企業のノベルティ商品としての利用等も勧めて行ければと思っています」と今後に関しても話してくれた。
なお、ボタンのデザインに関してだが、現在各店舗でしか購入できない“店舗限定デザイン”も、今後ネットショップでの販売を予定しているという。
「マスクぴたのんBIB-IT.+」を使って、肌負担や息苦しさの悩みを解消しつつ、服装などに合わせたオシャレアイテムにすることで、マスク着用が楽しくなるきっかけとなるかもしれない。
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