中国・武漢で最初に感染が報告された新型コロナウイルスは2020年世界中に広がり、パンデミックを引き起こした。日本でも3月に志村けんさん、4月に岡江久美子さんと、テレビでも親しまれた著名人が相次いでコロナで亡くなったことで、未知のウイルスへの衝撃が身近に感じられるようになった。

【タレント・志村けんさん(70)】3月29日死去

お笑いタレントの志村けんさんが3月29日夜、都内の病院で新型コロナウイルス肺炎のため亡くなった。70歳だった。

志村さんは17日に倦怠感の症状があり、19日には発熱と呼吸困難の症状が出たため、20日に病院に搬送され、重度の肺炎との診察を受けて入院した。その後、23日に新型コロナウイルスの検査で陽性と診断され、闘病していたが、29日午後11時10分に入院先の東京・新宿区の国立国際医療研究センターで新型コロナウイルス肺炎のため亡くなった。

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志村けんさんは、1950年2月20日、東京・東村山市生まれ。1972年に22歳で芸能界デビューし、1974年にいかりや長介さん、高木ブーさん、仲本工事さん、加藤茶さんらがメンバーの「ザ・ドリフターズ」に加入し、「8時だョ!全員集合」「ドリフ大爆笑」などに出演、国民的人気コメディアンとなった。2月、70歳を迎えてからも「志村けんのバカ殿様」「志村けんのだいじょうぶだぁ」など、数多くのバラエティー番組に出演し、精力的な活動を続けていた。

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【女優 タレント・岡江久美子さん(63)】4月23日死去

新型コロナウイルスの肺炎により、女優でタレントの岡江久美子さんが4月23日朝、亡くなった。63歳だった。

所属事務所の発表によると、岡江さんは4月3日に発熱。自宅で療養していたが、6日の朝に容体が急変し、都内の大学病院に緊急入院した。すぐにICUで人工呼吸器を装着。その後、PCR検査を行い陽性と判明したという。懸命な治療が続いたが、23日朝に息を引き取ったという。

岡江久美子さんは1956年生まれ。1975年にテレビドラマの主演で芸能界デビューすると、女優だけでなく朝の情報番組の司会をこなすなど、マルチな活躍を見せていた。1983年には俳優の大和田獏さんと結婚。おしどり夫婦として知られた。

岡江さんは遺骨となって24日、夫の大和田獏さん(69)が待つ自宅に無言の帰宅をしたが、感染予防のため玄関先にそっと置かれた遺骨を大和田さんが受け取る映像は新型コロナの残酷さをひしひしと感じさせるものとなった。

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【外交評論家・岡本行夫さん (74)】4月24日死去

外交評論家の岡本行夫さんが、新型コロナウイルスに感染し、4月24日に亡くなった。74歳だった。

岡本さんは、外務省で北米一課長などを歴任したあと、外交評論家として活躍した。橋本内閣と小泉内閣では首相補佐官を務め、沖縄問題やイラク復興支援に取り組んだ。その後は、ニュース番組にコメンテーターとして出演するなど、外交評論家として活躍した。

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【大相撲力士・勝武士 幹士さん (28)】5月13日死去

高田川部屋の三段目力士・勝武士、本名・末武清孝さんが5月13日、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で亡くなった。28歳だった。

2007年に初土俵を踏んでから13年。新型コロナウイルスで現役力士が亡くなったのは初めてで、厚生労働省によると、国内で20歳代以下の死亡も初めてだった。勝武士の1カ月に及ぶ闘病生活は、医療現場のひっ迫した状況と重なっていた。4月4日から、38度台の熱があり、師匠らが保健所に電話をかけてもつながらず。8日には、血が混じったたんが見られたため、救急車を呼ぶも、すぐには受け入れ先が決まらなかった。その後、都内の大学病院に入院し、簡易検査を受けたが、結果は陰性。9日には、別の大学病院へ転院し、翌日のPCR検査で陽性となった。19日からは、病状が悪化。集中治療室で治療を受けていたが、5月13日午前、亡くなった。

【ファッションデザイナー・高田賢三さん (81)】10月04日死去

世界的なブランド「KENZO」の創業者でファッションデザイナーの高田賢三さんが10月4日新型コロナウイルス感染症で死亡した。81歳だった。

高田さんの日本の事務所によると、9月10日に感染が確認され、フランス・パリ近郊の病院に入院。一時は病状が回復したものの、およそ1カ月にわたる闘病の末、4日に亡くなった。

パリを拠点に活躍した高田さんは25歳の時、単身でパリに渡り、民族衣装を大胆に取り込んだ独特のデザインで世界的ブランドとして認められた。東京の文化服装学院で同期生だったファッションデザイナーのコシノジュンコさんは「あまりにも突然の訃報で驚き悲しんでいます。世界のKENZOとして皆に愛された『ケンチャン』、わたしにとって学生時代の出会いから今まで思い出いっぱいつまった時間を共有できた。最愛の親友でした」とコメントした。

【ダース・ベイダー役・デビッド・プラウズさん (85)】11月28日死去 

映画「スター・ウォーズ」シリーズで、ダース・ベイダー役を演じたイギリスの俳優・デビッド・プラウズさんが亡くなった。85歳だった。

11月に新型コロナウイルスへの感染が判明し、約2週間の闘病生活の後、ロンドンの病院で亡くなった。

「スター・ウォーズ」シリーズ旧3部作で、ダース・ベイダー役を演じたプラウズさんは、ウェイトリフティングの選手として活躍したあと、1967年に映画デビュー。「時計じかけのオレンジ」など、数々の作品に出演したが、2014年に認知症を患っていることを明かし、2017年末に引退していた。

【国会議員・羽田雄一郎さん (53)】12月27日死去

現役国会議員、立憲民主党の羽田雄一郎参院幹事長が、12月27日53歳の若さで急死した。

羽田議員は、12月24日から発熱するなど体調を崩し、27日、PCR検査を受ける予定だった。ところが、都内の病院に向かう途中に容体が急変。搬送先の病院で死亡が確認された。28日、死因は新型コロナウイルスの感染によるものであることがわかった。現職の国会議員が、新型コロナウイルス感染症で亡くなったのは初めて。立憲民主党は、羽田議員が糖尿病と高脂血症を持病とし、高血圧だったことを明らかにした。

羽田議員は、父の故・羽田孜首相の秘書を経て、1999年に参議院長野県区の補欠選挙で初当選し現在5期目。2012年に旧民主党政権で国土交通大臣を務め、2020年9月に国民民主党から立憲民主党に合流し、参院幹事長を務めていた。(※12月28日追記)

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プライムオンライン編集部
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