福岡・田川市にある私立の認可保育園『松原保育園』で発覚した、保育士14人のうち10人が、まだ幼い園児に対して不適切な保育をしていたという前代未聞の事態。県などの発表を受けて園は10月24日、2回目の保護者説明会を開いた。

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テレビ西日本報道部では、保護者説明会の一部始終を記録した音声を入手した。(※前編から続く)

飛び交う保護者たちの憤りの声

今回、保護者の前に立ったのは男性理事長と女性園長。「園児の皆さま、また保護者の皆さま、大変、申し訳ございませんでした」と理事長が謝罪したものの、参加した保護者からは、当然、怒りや不安、疑問の声などが立て続けにあがった。

▼保護者(母親)「どんだけ頭にきとうか、分かっとーね!ふざけるな!ほんと!」

▼保護者(祖母)「口の中に食べ物を詰められて、あげいて(えづいて)『おえおえ』って言っているところを後頭部、叩かれたらどう思いますか!それを見た私たちはどう思いますか!」

▼保護者(父親)「わが子は宝なんですよ!もし、うちの子がされとったら、その先生の子どもを呼びつけて、同じことしてやろうって!それくらい思いますよ!」

▼保護者(父親)「不安に思っちょー保護者が、ここに集まっちょーんよ!正直、腹が立つ!」

怒りを露わにする保護者たちに明かされたのは衝撃の事実だった。

▼理事長「まだカメラで全部、把握していないが、1例目の保育士については約60件、2例目の保育士につきましては40何件だったと思います」

理事長が語った驚きの数。2人の保育士による不適切保育は100件にも及んでいた。保護者は言葉を失った。

「うちの子が殺されかけちょうかも…」

▼保護者A「ニュースで、同じトングで食べさせたとか、保育士が食べるバナナをそのまま園児に与えたとか、見ました。それ以外にいろいろ、突き飛ばしたとか、いろいろいろいろ見ました。それは本当なんか聞きたいです」

▼理事長「事実でございます」

▼保護者B「うちの子もされてる可能性が高いです。他のみんなもそうかもしれないですけど、すっごい不安です。もうかなり遺憾です。すぐに教えて下さい。うちの子が殺されかけちょうかもしれないんです」

▼理事長「園として、まだ防犯カメラ映像の解析ができてません。約2週間分でございますので、時間をもっと要すると思います」

▼保護者C「いつ終わるんですか、その解析が。2週間分の解析はいつ終わるんですか」

▼理事長「いや、だから2日前にもらいましたので」

▼保護者C「2日間で、どんぐらい見たんですか。何日分、見れたんですか」

▼理事長「いや、見てません」

▼保護者D「は?なんで見てねえん?違うやろ」

さらに保護者たちは10人もの保育士が、不適切保育をしていた事実に、園側の管理体制を追及する声も上がった。

▼保護者(男性)「結局1名だけじゃなく2名出て、そして挙げ句の果てに、何名ですか?もう経験が浅いとかいう問題じゃないですよね」

▼園長「全部含めて10名っていうことで出てきたなかで。子どもに対する人権の意識が職員の中組織的な中でも園の風潮としても、そこを防げなかったってことは責任を感じております」

▼保護者(男性)「14人おって10人。(今いるのは)8人でしょ。なんで、そんな8人の先生っていないんです。普通、前に出て謝るの筋じゃないんですかね」

▼保護者(女性)「残っている方も白か黒かでいったら黒でしょ。違うんね。不安でたまらんわね。こっちは」

▼保護者(男性)「おかしいよ、保育所、ここ辞めたいのに辞めれんでしょ。受け入れ先がなくて。どういうことよ!」

午後10時前、3時間に及んだ説明会は終了した。

孫を預けている保護者(祖母)は「ごちゃごちゃ、全然、話になりません。直らないでしょうね、何も。でも保育園の行き場所がないです。はっきり言って、どこの保育園にも入れない状態なので、我慢はしないといけないかなと思うけど…」と不安なようすを隠さなかった。

また別の保護者(母親)は「改善するっていうのも、こちら側の意見を尊重してくれる訳でもない返答ばかりだったんですよね。だったら私たちがここにいる意味って何?っていう感じです」と憤りを露わにした。

福岡県と田川市は、園に対し11月20日までに改善状況を報告するよう求めている。

(テレビ西日本)

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